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2005/07/29(金)
カネボウ元社長ら逮捕 700億円超す債務超過隠し
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経営再建中のカネボウ(東京都港区)旧経営陣による粉飾決算事件で、東京地検特捜部は二十九日、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、元社長の帆足隆容疑者(69)ら当時の首脳三人を逮捕。証券取引等監視委員会と合同で、会計監査を担当した中央青山監査法人(千代田区)や三人の自宅などを家宅捜索した。老舗企業を舞台にした七百億円超の粉飾決算は、疑惑発覚から約九カ月を経て旧経営陣の刑事責任が問われる事態となった。 ほかに逮捕されたのは元副社長の宮原卓(63)、元財務・経理担当常務の嶋田賢三郎(59)の両容疑者。調べに対し、三人は大筋で容疑を認めているという。 調べでは、帆足容疑者らは十四年と十五年の三月期決算を操作、それぞれ七百四十四億円と七百二十五億円の債務超過に陥っていることを隠し、九億二千六百万円と五億二百万円の資産超過に偽装したほか、十四年三月期には約五十七億円の当期損失を七千万円の利益と偽り、虚偽記載した有価証券報告書を関東財務局に提出した疑い。 カネボウは八年から債務超過だったが、帆足容疑者らは好調な業績を装うため、遅くとも十二年三月期から、売り上げの架空計上▽経費の過少計上▽多額の負債を抱えた関連会社を連結対象から外す−などの手口で粉飾を繰り返していたという。 中嶋章義カネボウ会長の話「このような事態に至り、深くおわび申し上げます。二度とかかる事態を起こさぬように、法令順守および内部管理体制の強化に一層注力します」 中央青山監査法人の話「事件が発覚して以来、現経営陣と協力しつつ、事態の解明を行ってきた。今回の捜査についても事件を解明するため、全面的に協力していきたい」
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