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2005/07/24(日)
首都圏地震で交通マヒ、エレベーター救出要請相次ぐ
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関東地方を襲った昨日23日夕の強い地震。首都圏の交通機関は一時、マヒに近い状態に陥り、JR線だけで1200本が運休、44万人に影響が出た。携帯電話はつながらず、エレベーターに人が閉じ込められ、夏休み最初の週末は「最大震度5強」の直撃を受けた。
◆交通機関――
首都圏のJR線や私鉄各線は夜まで運転見合わせや徐行運転が続いた。千葉県習志野市の京成線大久保―京成津田沼駅間で、成田空港行き特急列車が停止、乗客は乗務員に誘導されて約100メートル離れた大久保駅まで歩いた。
午後8時。JR巣鴨駅では、ようやく動き出した満員の山手線の電車から降りてきた男性(50)が「もううんざり」と話した。
「いつ電車に乗れるのか」。地震発生から4時間半たった午後9時過ぎ、新宿駅では中央線に乗り込もうとする人たちがホームにあふれ、階段から改札口まで行列を作っていた。立ったまま弁当を食べる人もいた。列の最後尾近くにいた男性(56)は「天災だから仕方ないけど……」と疲れ切った表情だった。
JR線は、運転再開には最も早い宇都宮線や埼京線でも1時間を要した。山手線など都心の主要路線は3時間近くかかった。
JR東日本は、「作業員が徒歩で巡回してレールや高架橋を点検しなくてはならない。首都圏は線路が入り組んでおり、一斉に止まったため作業員が足りなかった」と説明する。
地下鉄の8路線を運行する東京メトロも最大約4時間、運転を見合わせた。しかし、東京都営地下鉄は、発生から3〜15分で徐行運転で再開しており、大きな差が出た。
◆被害・影響――
千葉県白井市の友人宅で避難しようとした際に転んだ女性(91)が、左足骨折の重傷となったほか、埼玉県鴻巣市のホームセンターで、落ちた案内板(横29メートル、縦90センチ)によって女性客5人が軽傷を負うなど、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で計27人がけがをした。
東京都江戸川区南小岩では、鉄塔(高さ2・5メートル)が倒れ、切れた高圧線で隣家の屋根などが焦げた。江東区亀戸の立体駐車場では、2階から乗用車が地上に落ちた。エレベーターの中に閉じ込められる被害も相次いだ。消防庁災害対策本部によると、東京、神奈川など4都県で計46件の救出要請があった。
東京都庁では、45階の展望室につながるエレベーターが自動停止し、展望室にいた計約200人が、約1時間半にわたって足止めされた。
■<地震>電車遅れたと窓を壊した男を逮捕 千葉・木更津署
千葉県警木更津署は23日、地震による電車が遅れたことに腹を立て、駅の窓口のしきり窓を壊したとして千葉市中央区の会社員の男(51)を器物損壊容疑で現行犯逮捕した。調べによると、男は同日午後9時50分ごろ、JR内房線長浦駅で「みどりの窓口」の強化プラスチック製の窓を右手で殴り、窓にひびを入らせた疑い。
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