|
2005/06/28(火)
名脇役、2代目「おいちゃん」の松村達雄さん死去
|
|
|
映画やテレビドラマの名脇役として活躍した俳優の松村達雄(まつむら・たつお)さんが、18日午前7時25分、心不全のため亡くなった。90歳。近親者のみで密葬を済ませた。
「お別れの会」は7月19日午後1時から東京都港区芝公園4の7の35の増上寺光摂殿で。連絡先は渋谷区千駄ヶ谷5の11の13、東京俳優生活協同組合。喪主は妻、明美(あけみ)さん。
法大卒業後、劇団研究生を経て1957年からテレビや映画に進出し、日本テレビの「ダイヤル110番」、NHK「若い季節」などのドラマで活躍する一方、劇団「雲」に参加した。72年からは山田洋次監督の映画「男はつらいよ」シリーズで、森川信さんの後を継いで二代目おいちゃんとして5作品に出演した。
ややしゃがれた声と、独特のせりふ回し。芝居臭さを感じさせない確かな演技には定評があり、しょぼくれた中年男や下町の人情味あふれる頑固おやじ役などで絶妙の味を発揮した。
70年の「どですかでん」に続いて黒沢明監督との2度目の顔合わせとなった93年の「まあだだよ」では、主役の作家、内田百けんをひょうひょうと演じ、健在ぶりを示した。
その後も映画、テレビで活躍。一昨年秋に間質性肺炎を患い、自宅で静養していた。昨年1月にテレビ朝日系で放送された「それからの日々」が遺作となった。(けんは「間」の日が月)
◆洒脱でシャイな都会人◆
山田洋次監督の話「うだつのあがらない作家や酔っ払いの医者など、崩れたインテリを魅力的に演じて、これほどぴったりの人はいなかった。というより、それは松村達雄さんにしかできない役どころでした。洒脱(しゃだつ)という言葉がぴったりと当てはまるシャイな都会人のこの人を、僕は心から尊敬していました。こんな素晴らしい俳優は二度と出てこないと思います。寂しくてたまりません」
|
|
|
|