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2005/06/20(月)
歴史問題、溝埋まらず…日韓首脳会談
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小泉首相は20日午後(日本時間同)、韓国の盧武鉉大統領とソウル市内の大統領府(青瓦台)で約2時間会談した。
大統領は首相の靖国神社参拝について「日韓関係の歴史問題の核心だ」と暗に参拝中止を促した。首相は「不戦の誓いから参拝した」などと反論した。大統領は新たな平和追悼施設の検討を求め、首相は「日本の国民世論など諸般の事情を考慮して検討する」ことを確認した。
大統領は会談後の共同記者発表で「お互いを理解しようと努力することで共感したが、合意事項までには至らなかった」と述べ、歴史問題をめぐる溝が埋まらなかったことを明らかにした。
両首脳は約2時間の会談のうち約1時間50分を歴史認識や歴史教科書、首相の靖国参拝などをめぐる歴史問題の議論に費やした。
大統領は「日本が過去の不幸な歴史を反省し、歴史が繰り返されないという確信を行動で示すことが信頼の基礎となる。日本の要人により、信頼を崩すような言動が繰り返されてはならない」と強調した。
そのうえで、「靖国神社は過去の戦争を栄光あるもののように展示している。過去の戦争と戦争英雄を美化し、このようなことを学んでいる国が隣におり、強い経済力と軍事力を持っているとき、近隣の国民は未来を不安に思わざるをえない」と述べ、首相の靖国参拝中止を促した。
これに対し、首相は、2月下旬に島根県議会で「竹島の日」制定の条例案が提案されて以降、日韓関係が悪化したことについて「心を痛めている。意見の違いはあっても、大局的見地から両国関係を元の軌道に戻し、未来志向で前に進めたい」と訴えた。
自らの靖国参拝については、「戦争を美化したり、正当化しているわけではない。心ならずも戦場に赴いた戦没者の追悼のために、二度と戦争を起こしてはいけないという気持ちで参拝している」と理解を求めた。
両首脳は、年内にスタートさせる第二期日韓歴史共同研究で、歴史教科書に関する作業グループを設置し、研究結果を両国の教科書制度の枠内で「教科書の編集過程での参考」とすることを確認した。
これに関連し、大統領は、「自民党の核心勢力が扶桑社教科書の採択を支援しているのではないかとの報道があり、採択率に関心を持っている」と指摘。さらに、「日本政府は、日本の教科書検定制度では政府は介入できないというが、韓国国民にはとうてい理解しがたい」などと不満を述べた。
一方、両首脳は、北朝鮮の核開発問題の平和的解決を図るため、6か国協議の早期再開に向けて、日米韓3か国が緊密に連携していくことで一致した。両首脳は、次回の首脳会談を年内に日本で開催することで合意した。
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