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2005/06/19(日)
尼崎脱線事故 55日ぶり運転再開 JR宝塚〜尼崎間
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107人の犠牲者が出た兵庫県尼崎市の福知山線脱線事故後、不通になっていた宝塚−尼崎間(17.8キロ)の営業運転が19日の始発から予定通り再開された。4月25日の事故発生から55日ぶり。今後、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などによる事故原因の解明が続く中、JR西日本は遺族・負傷者らへの補償、再発防止策の徹底が大きな課題となる。 再開の1番電車(普通電車、7両編成)は19日午前5時、宝塚駅を定刻通り出発。運転席に同乗した垣内剛社長は尼崎駅で下車した後、「(事故の)現場を通過した際は身が震える思いがした。心の中で犠牲者と負傷者に改めておわびした」と記者団に語り、安全運行を改めて誓った。 事故現場となった塚口−尼崎間のカーブ線路脇では同4時40分ごろ、ベージュの制服を着た南谷昌二郎会長ら同社幹部が献花。1番電車がゆっくりとした速さで現場に差し掛かると、犠牲者への追悼の意を込めて一斉に敬礼した。 JR西日本は事故後、列車の速度超過を防ぐ新型ATS(自動列車停止装置)を新三田−尼崎間に計480個新設。駅での停車時分を延長したり、最高・制限速度を事故前よりも抑えた新ダイヤを編成するなどして運転再開に備えてきた。 JR西日本のまとめでは、これまでに2万1201本が運休、約542万7000人に影響した。
■JR西、不通の損失25億円
55日ぶりの再開で、不通による約15億円の減収など直接的費用の増大は止まる。代替輸送してもらった阪急電鉄への支払いは約8億円、神戸電鉄への約1億円などを合わせても損失は25億円程度で、連結売上高1兆円を超える企業には「営業努力で取り戻せる範囲」(関係者)だ。 むしろ乗客が確実に戻るめどが立たないことが問題だ。徳岡研三専務・鉄道本部長も「どれだけ戻るか分からない」と影響の深刻さを認める。
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