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2005/05/03(火)
静岡県警ヘリが墜落、乗員5人全員が死亡
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3日午後4時30分ごろ、静岡市清水区草薙3の住宅街に、静岡県警のヘリ「ふじ1号」が墜落、炎上し、乗っていた警察官ら5人全員が死亡した。ヘリは墜落直前、同所の2階建てアパート(4世帯入居)に接触、屋根や階段の一部を壊したが、アパートや付近の住民にけがはなかった。
県警は同日、事故原因究明のための対策本部を設置。また、業務上過失致死の疑いもあるとして、清水署に捜査本部を置いた。
国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は、調査官3人を4日に現地へ派遣し、墜落原因を調べる。
県警によると、死亡したのは、パイロットで地域課航空隊長・守邦旺男(てるお)警視(59)、交通規制課長・斎藤紳一警視(49)、同課課長補佐・小林輝行警部(47)、同課係長・増田真司警部補(38)同・鈴木実技術吏員(35)。
ふじ1号は大型連休の交通渋滞状況を調べるため、午後2時42分に静岡県大井川町の県警航空隊基地を離陸、県西部の磐田市や東部の沼津市上空などを飛行し、同基地に戻る途中だった。同4時25分に静岡市清水区の上空から「これより着陸予定」と、航空隊に連絡していた。
この日は当初、事故機とは別のヘリ「ふじ2号」を使用。亡くなった5人に副操縦士と整備士を加えた7人が、午後2時に同基地を出発したが、間もなくオイル関係のトラブルを示す「注意ランプ」が点灯した。このため、引き返して「ふじ1号」に乗り換え、改めて同42分に出発した。
110番通報した住民の話では、ヘリは南西のJR東静岡駅方向に向かって飛行中、突然、機首を下げて急降下し、アパートの屋根に接触してから、路上に激突したという。機体は、ばらばらに散乱、一部は道路脇を流れる草薙川に落ちていた。墜落直前のヘリの様子を目撃していた会社員江口隆一さん(56)は「(回転翼の音も)パタパタと途切れがちになり、明らかに変だなと思った」と言い、不時着の場所を探しているように見えたという。
現場は県立大学や美術館、図書館に近い閑静な住宅街。
警察庁によると、警察ヘリの墜落事故は過去2件起きている。死者が出たのは1966年11月、大阪府警のヘリが海上に墜落、2人が死亡して以来39年ぶり。2002年6月には容疑者を捜索していた新潟県警のヘリが同県上川村(当時)の山林に墜落し、操縦士ら3人が重軽傷を負った。現在、全国の警察が保有・管理するヘリは計95機。
静岡地方気象台によると、事故当時、静岡市付近は晴れで、南の風2、3メートルの穏やかな天候だった。
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