|
2005/05/20(金)
中日川上完全試合逃す、李の1発だけ
|
|
|
金曜日の夜は何かが起こる? 中日川上があと1歩で大記録を逃した。ロッテ打線を8回2死までパーフェクトに抑えていたが、李に痛恨の1発を浴びた。許した安打はこの1本だけ、10三振を奪い、わずか89球で完投し4勝目を挙げた。 大記録はバックスクリーンへ消えていった…。史上16人目、球団史上初の完全試合へあと4人と迫った8回2死。打者24人、76球目。ロッテ李に痛恨の本塁打を浴びた。川上はボールの行方を途中まで見届けると最後まで追わず、腰に手を当てて視線を落とした。 ヒーローインタビューでは「僕の人生を象徴しているかのようです」と苦笑いでごまかした。しかし、帰りのバスに向かう途中では「若干(ストライクを)取りにいったボール。悔いが残ります」と悔しさをストレートに出した。 難しい1球だった。李に対してカウント1−2からの3球目が高めに大きく外れて1−3となる。そして運命の5球目。四球でもノーヒットノーランと割り切るか、リスクを負っても完全試合にこだわるか。川上は02年8月1日巨人戦でノーヒットノーランを達成している。バッテリーは完全試合を狙いにいった。 結果は裏目だった。真ん中低め146キロ直球を李に完ぺきに捕らえられた。谷繁も悔しがる。「完全試合じゃなかったらなあ。四球が出せないから…」。森投手チーフコーチは「あそこでノーヒットノーランでもいいと思えるか。そこが難しいところだ」と1つのミスも許されない大記録の難しさを語った。 だが、快投は色あせない。1安打10奪三振完投で4勝目。セ・リーグ初の出場全員奪三振という記録もついた。前回13日のソフトバンク戦では左足に折れたバットが当たり、負傷降板。その後が心配されたが、ローテーション通り先発し、交流戦でもがくチームにカツを入れる快投劇を見せた。「交流戦トップで投げた僕がふがいない投球でチームのリズムを悪くした。気持ちが入っていました」。交流戦5カード目でオレ竜もようやく初戦白星を奪った。大記録は逃したが、エースとして最高の仕事をした。
|
|
|
|