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2005/05/02(月)
<バンダイ>ナムコと経営統合 きっかけは「ガンダム」
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バンダイとナムコは2日、経営統合の会見を都内で開いた。バンダイの高須武男社長は統合のきっかけが、両社が協力して開発したプレイステーション2用ソフト「機動戦士ガンダム一年戦争」であることを明らかにした。 両社は02年から、バンダイのキャラクタービジネス、ナムコのゲーム開発力を生かし、ガンダムのゲーム開発を始めた。ナムコがアニメ版とは違う重量感あるガンダムをデザインし、バンダイ側もナムコの作ったガンダムをプラモデルにして発売するなど、現場レベルでの積極的な交流が進む中で、「お互いに企業風土が似ている」(高須社長)という流れになった。 そして04年12月、ナムコの創業者でもある中村雅哉会長が両社の提携統合を打診。バンダイの高須社長も3年前から、コンテンツ開発会社としての企業規模を抑えつつも、大企業ならではの資本力や交渉力を維持するため、グループの持ち株会社化を検討していたこともあり、快諾した。創業者一族の元社長、山科誠相談役の賛同も取り付けた。 会見では、両社ともセガとの合併を白紙撤回した“経緯”があるだけに、気を使う場面も見られた。高須社長は、全社員を集めて統合の経緯を説明したときに社員からナムコとの提携を推し進める逆提案があったことに触れ、今回は社員の“支持”があることを強調した。ナムコ側も中村雅哉会長が珍しく姿を見せ、関係者は終始ニコニコ顔だった。 高須社長は、統合の意義について「(両社とも)単独でやっていけるが、将来に対する漠然とした不安を抱えていた。(統合するからには)1+1を3にも4にもしたい。ナムコはベストパートナー」と力説した。 しかし、統合の“象徴”となったガンダムゲームも手放しで喜べない状況だ。ゲーム雑誌の評価では高得点がつくなど出来はよいものの、発売1カ月もたたないうちに半額に値崩れを起こしており、小売店が悲鳴を上げている。「年末のドラクエ8のもうけを全部吐き出した。今後のゲームソフトの売り上げにも影響するかもしれない」(関係者)と、コンテンツビジネスの舵取りの難しさを指摘する声もある。 これまでの大手ゲーム関連会社の合併・統合では、03年に合併したスクウェア・エニックスが、ゲームソフトの本数を絞り高利益をたたき出し、早くも結果を出している。家庭用ゲーム機用ソフト事業が不振だったセガもサミーの資金力を背景に事業の見直しを進めている。次世代ゲーム機用ソフトの開発費高騰、国内市場の縮小と世界市場を見据えた事業展開は必然で、他の大手メーカーの経営戦略にも影響を与えそうだ。
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