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2005/04/07(木) 中山大三郎さん死去「人生いろいろ」などヒット曲多数
「人生いろいろ」「珍島物語」などのヒット曲で知られる作詞作曲家、中山大三郎さんが7日午前零時3分、中咽頭(いんとう)がんのため、東京・港区内の病院で死去した。64歳だった。平成12年に下咽頭がんで声帯を切除する手術を受けて声を失って以来、がんとの闘いに明け暮れた。しかし、最後まで仕事に意欲を燃やし、病床でも詞を書き続けた。

 最後の最後まで、作品作りに執念を燃やし続けた。中山さんが入院したのは1月下旬。「珍島物語」など二人三脚で数々の名曲を生み出してきた山田廣作プロデューサーの依頼で、病床で3曲の詞を完成させていた。

 その中の1曲「犬のおねがい」は男性3人組ユニット、「3TIGHT B(スリー・タイト・ビー)」のために書き上げた。4日に彼らが同曲をレコーディングし、そのデモテープを聴いてすっかり気に入った中山さんは、出ない声の代わりに、親指と人さし指で丸を作って山田さんにOKサインを出した。

 しかし、そのとき病魔は体中を蝕んでいた。4日に吐血して以来、病状は一進一退を繰り返し、7日未明にこの世を去った。最期は平成7年に再婚した20歳年下の妻、三佐子さん(44)と2人の弟子に看取られ、眠るように息を引き取ったという。

 親友でもあった山田さんは「入院する直前に、一緒にゴルフをするほど元気でした。42・43の好スコアを出して、『今度教えようか』と笑っていたんですが。これからも、一緒にいい作品を残していきたいと思っていたのに…」と唇をかみ締めた。

 中山さんは法政大学在学中に作詞家デビュー。クラウンレコード専属作家として、「新潟ブルース」や「夜の銀狐」などの名曲を生み出した。その後フリーになり、61年には尾形大作のデビュー曲「無錫旅情」を作詞作曲し、大ヒット。翌62年には、作詞した「人生いろいろ」を島倉千代子が歌って、日本レコード大賞作詩賞を受賞した。

 日本テレビ系「ルックルックこんにちは」の「女ののど自慢」で審査員を務めるなど、ワイドショーのコメンテーターとしても人気を集めた。が、平成11年にのどの異常を訴え、下咽喉がんと診断された。放射線治療で1度は克服したが、翌12年に再発。声帯を摘出する大手術を受け、命と引き換えに声を失った。

 以来、がんとの闘いに明け暮れた。食道がんを3度、舌がんにもなり、そのつど放射線治療や手術で克服してきたが、とうとう力尽きてしまった…。


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