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2005/04/27(水)
脱線事故犠牲者、大半が2両目に
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JR福知山線の脱線事故では、これまでに死亡が確認された乗客97人のうち70人前後が2両目に集中している。1両目の被害状況は不明だが、兵庫県警はマンション外壁に激突したため、2両目で甚大な犠牲者を生んだとみている。
尼崎市消防局によると、3、4両目の死者は「多くても数人」とみられる。事故当時、電車には約580人が乗車していたとされ、1両あたり80人強の乗客がいたとすると、2両目の乗客のほとんどが死亡したことになる。
事故では、2両目が線路沿いのマンション1階北西角の外壁に激突し、車体は「く」の字の形に折れ曲がり、車体の幅は約50センチにまでひしゃげ、屋根と車軸がほとんどくっついた状態となった。1両目は、マンション1階の立体駐車場に横転した格好で突入していた。車両の上には大破した乗用車が何台も覆いかぶさり、車を載せる鉄製床板がめり込むなどしたが、車両の中にはすき間ができ、自力ではい出した乗客もいた。
一方、事故現場で救助活動にあたった医療関係者によると、乗客の死因は大半が圧迫死と内臓破裂や脳挫傷などで、より前部の車両から発見された遺体ほど損傷が激しかった。
■脱線直後の直進示唆か=レール脇に車輪の痕跡
この事故で、右カーブで脱線した直後の車両は大きく逸脱せずに、衝突したマンション方向に直進していた可能性があることが27日、分かった。軌道自体はほとんど壊れておらず、レール左脇に車輪が通過した「脱線痕」が複数見つかった。県警と国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、複合的要因で脱線した可能性があるとみて、メカニズムの解明を進めている。 同日夜までに、死者は男性54人、女性43人の計97人となった。尼崎市消防局によると、1両目付近に10人近い乗客らが取り残されており、死者は100人を超える恐れが強まった。県警と消防が引き続き捜索を続けた。
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