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2005/04/26(火) G・ローズ造反「帰る」!“緩慢プレー”批判にブチ切れ
 巨人がついに「空中分解」した。ヤクルト戦にも敗れ今季初の5連敗。試合後のミーティングで、9回の緩慢な守備を弘田澄男コーチ(55)に指摘されたタフィ・ローズ外野手(36)が「(弘田コーチに)『お前のせいだ』と言われた。もう東京に帰る。ジャイアンツなんて大嫌いだ! 」と激怒。ミーティングを抜け出し、憤慨しながら球場を引き揚げた。借金6のシーズンはこれまで優勝なし。「V率0%」の最悪の一夜となってしまった。
 球場に隣接する宿舎ホテルへ続く暗い通路に、真っ先にローズが現れた。今季初の5連敗を喫し、試合後の緊急ミーティングが行われている真っ最中、のはずだった。広報2人、通訳が遠巻きに付き添うが、寄せ付ける雰囲気すらない。追いすがる通訳に「ドント・コール・ミー(オレに電話するな)。アイ・ウィル・ゴーイング・バック・トゥー・トウキョー(東京に戻るからな)」と大声でまくし立てた。
 それだけでは終わらなかった。今度は日本語で放送禁止用語を連発しながら、不満をぶちまけ始めた。
 ローズ「フ××キン、ジャイアンツ。みんな書いていいよ。オレのせい(と)ヒロタさん言った。ジャイアンツ大嫌い。(日本で自分は)10年やった(けど自分に対する周囲からの)尊敬ない。差別。ジャイアンツみんな下手くそ。大嫌い。ピッチャー、真っすぐ投げて打たれたのもオレのせい(? )」。
 問題の発端は、同点で迎えた9回の守備だった。無死一塁からラミレスが左中間フェンス直撃の勝ち越し二塁打を放つ。明らかにヒット性の打球だったが、ローズはゆっくりと追っただけ。中堅キャプラーがボールを処理し、二岡に返球したが一塁走者岩村の生還を許した。堀内監督が掲げた、グラウンドをいっぱいに使ったスピード野球に似つかわしくない緩慢な守備。関係者の話を総合すると、ミーティングではこのプレーを弘田外野守備走塁コーチに指摘され、敗因をなすりつけられたと思ったローズが逆ギレ。同コーチと一触即発のムードになり、数人が止めに入ったという。
 同コーチは試合後「すべてに関してノーコメント」と口をつぐんだ。それから約20分後、ロッカー室から出てきた堀内監督は「激怒してた?  そう?  みんな悪い時はフラストレーションがたまるもの。東京に帰る?  野球選手なんだから一晩寝れば何とかなるよ」と、つくり笑顔で何事もなかったように答えるしかなかった。
 実はシーズン前に導火線はあった。2月23日の紅白戦で「5番」に激怒。昨年は3番を打っていたが、説明なしに「降格」されたことに不満をぶちまけていた。その後、堀内監督が話し合いを持ち、自らの考えを説明して一件落着していたが、低迷する個人成績へのいら立ちなど、さまざまな要因も重なり、ついに大爆発してしまった。
 罰金もののローズ個人の問題には違いないが、チーム状況が良好だったら、果たして「プッツン劇」は起きただろうか…。泥沼の5連敗で、99年以来の借金6と最下位に低迷するチームを象徴する内部崩壊。借金6は過去11度あるが、すべてV逸だ。不吉なデータもあるが、それ以上に厄介な問題に、堀内巨人が直面してしまった。【


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