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2005/04/21(木)
男子2百m平、北島3位で世界選手権逃す…今村初優勝
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競泳の世界選手権(7月、カナダ・モントリオール)代表選考会を兼ねた第81回日本選手権が21日、横浜国際プールで開幕し、男女7種目の決勝が行われた。 アテネ五輪2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)が出場した男子200メートル平泳ぎは、今村元気(ムラサキスポーツ)が2分11秒70で初優勝。2位の木村太輔(自衛隊)とともに国際大会派遣標準記録を切り、世界選手権代表を決めた。北島は2分13秒26の3位に終わり、この種目での同選手権出場を逃した。 女子400メートル自由形はアテネ五輪金メダリストの柴田亜衣(チームアリーナ)が4分7秒93で初制覇。大会7連覇を狙った山田沙知子(コナミ西日本)は2位だった。女子400メートル個人メドレーは藤野舞子(拓大)が自己ベストの4分41秒96で2年ぶり2回目の優勝。柴田、藤野も代表の座を手にした。 男子100メートル自由形は細川大輔(SAT)、同50メートルバタフライは高安亮(コナミ東日本)がともに2年ぶり2回目の優勝。女子200メートル平泳ぎは種田恵(SAT)、同50メートルバタフライは土肥亜也子(コナミ東日本)がいずれも初優勝を果たした。 ○…アテネ五輪女子800メートル自由形金メダルの柴田が、同400メートルで日本記録(4分7秒23)保持者の山田に大差をつけて初優勝。200メートルまでは日本記録を上回るペースだっただけに「日本記録を狙っていたので悔しい」と連発したが、山田に勝ったことには「自信になる」。金メダリストとして重圧を感じつつも「金メダルでいい気になってはいけないと分かっている。挑戦者のつもりで」と心掛けたという。世界選手権では得意の800メートルだけでなく、400メートルでも「表彰台に上がりたい」と話した。一方、山田も「タイムはまずまずでいいスタートを切れた。調子は上がっている」と巻き返しに手応えを感じていた。 ◇どこまで立て直すことができるか…北島 北島自身の持つ日本記録2分9秒42と比べて、4秒近くも遅いゴールだった。指導する平井伯昌コーチも、事態をどう受け止めていいのか図りかねる口ぶり。「本人が『予選はかなり楽に行った』と話していたのに(決勝の)最後50メートルでもがいているとは」とこぼした。 予選後、北島は「スムーズに泳げた」と話す一方で、スタミナへの不安も口にしていた。「決勝は集中しないといけない」。いやな予感は的中する。 100メートルにより重点を置いた練習で序盤のスピードに磨きをかけた一方、持久力の不足は否めなかった。「200メートルの練習ができてなかったし、例年行っているストロークを伸ばして泳ぐトレーニングも足りなかった」と平井コーチ。テンポのいい泳ぎは影を潜めた。 「(今村)元気さんがいい泳ぎをして、プレッシャーに圧倒された」と北島は敗北をいさぎよく認めた。だが、五輪2冠の王者がこのまま終わるわけにはいかない。どこまで立て直すことができるか。北島を見つめる視線はさらに熱くなる。 ○…女子400メートル個人メドレーは第一人者の藤野が制した。自己ベストを更新し、国際大会派遣標準記録(4分44秒65)も突破。アテネ五輪代表を逃していただけに「絶対に世界選手権に出たかったのでうれしい」と喜んだ。今年2月、普段練習していた東京都内のプールが屋根の損壊で使えなくなったが、関係者の尽力で国立スポーツ科学センターなどで練習することができたという。一方、アテネ五輪代表の天野は3位に沈み、「五輪代表の意地が足りなかった。決勝への気持ちの持っていき方がダメだった」と悔し泣きしていた。 ▽北島康介 (今村)元気さんがいい泳ぎをして、プレッシャーをかけてきて圧倒された。まだ(世界選手権の)代表になれる種目はある。この悔しさをバネにしないといけない。 ▽木村太輔 (男子200メートル平泳ぎ2位)元気(今村)だけをマークして2番狙いだった。元気が康介(北島)に勝てると思わなかったので、2位でびっくりした。これまで国際大会でメダルを取って帰ってこなかったことはないので、世界選手権も笑顔で帰ってきたい。
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