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2005/03/05(土)
中国全人代が開幕、台湾独立阻止で強い決意表明
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中国の第10期全国人民代表大会(全人代=国会)第3回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕し、温家宝首相は冒頭の政府活動報告で、今回会議で審議、採択される「反国家分裂法案」について、「台湾独立を決して許さない断固たる決意を示すものだ」と表明した。
温首相はまた、2005年の経済成長率目標を「8%前後」に設定。同時に、景気過熱を抑えるため、従来の積極財政から、「穏健財政」に転換する姿勢も明確に打ち出した。
台湾独立阻止の決意表明の中で、温首相は、「分裂勢力が台湾を中国から切り離そうとする、いかなる名目、いかなる方法も絶対に許すことはない」と強調した。同法制定によって、台湾の陳水扁政権が進める台湾本土化(自立化)路線を封じ込めようとする考えを示したものだ。
同法は、台湾との関係で武力行使を含む中国側のあらゆる対応に法的根拠を与える内容になると見られ、台湾ばかりでなく、日米両国も懸念を抱いている。温首相は、こうした懸念を念頭に、「中国は最大の誠意と最大の努力を尽くし、祖国の平和統一を目指す」と述べ、あくまでも平和統一を第一に考えているとの立場を強調した。
近年「7%前後」でほぼ固定されてきた成長率目標を、今回、「8%前後」に設定したことについては、昨年の成長率が9・5%に達したことを踏まえ、経済実態に合わせて目標を上方修正したと説明した。
積極財政からの転換で、長期建設国債発行額を前年の1100億元(1元=約13円)から300億元減らし、800億元とした。
中国社会の大きな不安定要因になっている失業問題については、「都市部就業者を新たに900万人増やす」との目標を掲げた。
国際的な切り上げ圧力が強まっている通貨・人民元に関しては、「改革を着実に進め、為替レートを合理的で均衡の取れた水準に維持し基本的安定を保つ」と述べ、早急な変動幅の拡大には慎重な立場を示した。
内政問題では、主要課題に都市と農村、地域間などでバランスの取れた発展を目指す「調和社会」の建設を掲げ、拡大する経済格差など社会のひずみを是正していく決意をアピールした。温首相は、来年までに農業税を全面撤廃し、農民の収入増を図るなど、疲弊する農村経済底上げを最優先するとした。
今会議では、昨年9月に共産党中央軍事委員会主席を退いた江沢民氏が、国家中央軍事委員会主席も辞任して完全引退し、胡錦濤国家主席が後任に選出される。会期は14日まで。
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