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2005/03/11(金)
「新株」差し止め仮処分、ライブドアの申請認める
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インターネット関連会社ライブドアが、ニッポン放送株のフジテレビジョンへの新株予約権発行を差し止めるよう求めた仮処分申請に対し、東京地裁は11日、差し止めを命じる仮処分決定をした。
鹿子木(かのこぎ)康裁判長は「新株予約権の発行は、現経営陣の支配権を維持することを目的としており、著しく不公正な発行に当たる」と述べた。ニッポン放送は即日異議を申し立て、同地裁が改めて差し止めの是非を判断することになった。
決定は、ライブドアが5日以内に5億円を担保として供託すると効力が生じ、異議審や高裁、最高裁で取り消されない限り、ニッポン放送はフジテレビに新株予約権を与えることができない。ニッポン放送側は厳しい状況に追い込まれ、24日の発行予定日に向けて、裁判対策の練り直しを迫られそうだ。
決定はまず、「新株予約権発行が現経営陣の支配権維持を主要な目的としている場合は、発行を正当化する特段の事情がなければ、商法の不公正発行にあたり違法」との判断基準を提示。今回の発行が、現経営陣による支配権の維持を目的としていると認定したうえで、「発行を正当化するには、ライブドアによる支配が企業価値を著しく棄損することが明らかでなければならない」と指摘した。
さらに決定は、ライブドアによる支配がニッポン放送の企業価値を低下させるかどうかを検討。ニッポン放送側が主張する売り上げの低下や従業員の流出は、いずれも「明らかではない」と退ける一方、ライブドア側の事業計画については、「インターネット事業との間で相乗効果が期待できないことはない」などと、一定の合理性を認定した。
そのうえで決定は、「企業価値の著しい棄損が明らかであるとは言えず、新株予約権発行は正当化できない」と結論付けた。
一方、ニッポン放送は、発行を正当化する事情として、「ライブドアが時間外取引で大量の株を取得したことは違法」と主張していたが、決定は「証券取引法違反とは言えない」と退けた。
「放送の公共性が害される」としたニッポン放送の主張についても、決定は「(ライブドアの)堀江貴文社長の発言の片言隻句をとらえたに過ぎない。公共性が失われるとは認められない」と述べた。
◇
堀江社長は11日午後8時半すぎ、東京・六本木の本社で会見し、仮処分決定について「フジサンケイグループとの話し合い再開に向けて前進した。引き続き事業提携を呼びかけたい」と話した。
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