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2005/02/25(金)
東京直下大地震、経済被害は最悪で112兆円
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東京直下でマグニチュード(M)7級の大地震が起きた場合、経済被害は最悪の場合、112兆円に達する恐れがあることが25日、政府の中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」が公表した被害想定報告で明らかになった。
昨年12月に公表された人的・物的被害に関する中間報告と合わせ、被害想定の全容がそろった。調査会では今夏までに被害軽減対策を検討。政府はこれを踏まえ、2005年度中に「南関東地震対策大綱」を見直す。
経済被害を算出するにあたり想定した地震は、震源別に計18通り。
このうち、被害規模が大きいと予想される「東京湾北部地震」(震源・東京湾)と「都心西部直下地震」(同・西新宿)の2通りに絞り、季節や時間帯、気象などの条件ごとに<1>建物の倒壊などによる「直接被害」<2>経済活動の停滞がもたらす「間接被害」を検討した。
その結果、「東京湾北部地震」が、冬の午後6時、関東大震災と同じ風速15メートルの状況で起きた場合には、経済被害額が最高の112兆円となる見込み。被害額最低の「都心西部地震」が冬の午前5時に発生したケースでも76兆円だった。
「東京湾北部」の被害想定額112兆円の内訳は、建物が壊れたり、水道やガス、電気などのライフラインが破損するといった「直接被害」が67兆円。うち建築物・家財の被害が55・2兆円を占めた。企業資産が6・7兆円、交通施設が3・1兆円などとした。
交通の寸断による流通の停滞や、東京に集中している本社機能の喪失などで経済活動が滞ることによる「間接被害」は、地震発生後1年間で45兆円。うち東京都内分が13・2兆円で、東京都以外への波及は海外経済への影響を含め25・8兆円に達するとした。
ライフラインは、地震直後の段階で約160万棟が停電するほか、約120万棟でガスが止まり、断水で約1100万人が影響を受けるなど、大きな被害が出るとした。避難者は最大で約700万人に達すると予測した。
このほか、鉄道や高速道路で事故が起きた場合の人的被害も検討、「都心西部」の場合は死者は400人、「東京湾北部」の場合は同300人とした。
人的・物的被害をまとめた昨年12月の中間報告では、最大死者数は「都心西部」の1万2000人だったが、今回、交通被害による死者を加え1万3000人に上方修正した。建物全壊・焼失被害が最大となるのは「東京湾北部」の約85万棟。
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