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2005/02/19(土)
食品業界 水にこだわった商品がヒット 「モルツ」など
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食品業界で「水」にこだわった商品が好調だ。サントリーの主力ビール「モルツ」は、工場ごとに違う「四つの水系の天然水」をアピールした効果で、昨年の販売数量が1693万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と前年比2.9%増。今年1月からは、モルツ以外のビール・発泡酒の国産全製品も業界で初めて「天然水100%仕込み」に切り替え、「水の良さ」で勝負する姿勢を打ち出している。【清水憲司】 モルツは86年発売以来のロングセラー商品。サントリーはビールの9割以上が水でできていることを重視し、00年2月から、くみ上げた地下水からろ過などで不純物だけを取り除いた「天然水」で製造している。 03年7月から、モルツを製造している利根川(群馬県)、武蔵野(東京都)、京都(京都府)、九州熊本(熊本県)の4工場が属する水系の源である「赤城山」「丹沢」「天王山」「阿蘇山」のイメージをそれぞれ缶にデザイン。水系によって味の微妙な違いを楽しめることを訴えた。昨年4月の商品リニューアル後は、家庭向け缶製品の販売量が同15%増と好調。業務用を含めたモルツ全体でも4年ぶりに前年実績を上回った。 一方、アサヒ飲料の「三ツ矢サイダー」は、水の「硬度」に注目。研究の結果、サイダーの味や香りに最適なのは硬度25度(1リットル当たりにマグネシウムとカルシウムが25ミリグラム含有)の「軟水」であるとして、原料の水のブレンドを工夫して、硬度25度にしたリニューアル商品を昨年3月に発売した。猛暑効果も手伝って、年間の販売数量は同23%増えた。 モスフードサービスは、610〜880円の高級バーガー「匠味」シリーズのソースに「伊賀の伏流水」を使用。キユーピーが販売するレトルトの「アヲハタ白がゆ」は、富士山ろくの山梨県富士吉田市の地下150メートルからくみ上げた名水とコシヒカリを使い、素材にこだわる消費者の心理をくすぐっている。
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