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2005/02/28(月)
藍休めない、4日から日本開幕戦
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女子プロゴルフの宮里藍(19=サントリー)が2月28日、日本に帰ってきた。南アフリカの女子W杯を制し、オーストラリアのANZレディースマスターズで2位。23日間の南半球遠征で最高の結果を残し、大きな自信を手にして成田空港に降り立った。休む間もなく、4日からは日本女子ツアー開幕戦ダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)に出場。世界を意識しながら、日本でのシーズンのスタートを切る。 宮里が、拍手で迎えられた。「頑張ったね。藍ちゃーん」。成田空港に居合せた約400人からの声が心地いい。取材陣約50人、テレビカメラ7台、混乱を防ぐため、9人の空港警備員にガードされた。「予想はしていましたが、ちょっとびっくりです」。戸惑いながらも、日焼けした顔で藍スマイルを振りまいた。 宮里にとっては、自分が成長するための南半球遠征だった。しかし、その1打1打を日本中が見つめていた。W杯優勝、欧州ツアー開幕戦でも初日から首位独走。最終的に2位に終わったが、27日のテレビ東京での中継は、視聴率10・0%(ビデオリサーチ、関東)と2ケタを記録した。日本を離れた3週間で「藍ちゃん人気」は急騰していた。 実は、オーストラリアのブリスベン空港を出発する前に「できれば帰りたくない」と言った。あこがれ続けた海外での試合が、一時中断する。「2試合で、藍(Ai)の名前も覚えてもらった。現実逃避できるなら、このまま米国に行きたいですね」。それだけ充実した最高の23日間だった。 ANZレディースマスターズではメジャー6勝のウェブに敗れ2位に終わったが、父でコーチの優氏には電話で優しく言葉を掛けられた。「海外の選手やメディアにも名前を覚えられたようだね。もっと世界に出やすくなってよかった」。父子でプラスに考えた。 世界への思いを強くしたが、今季までは日本が主戦場。今日1日には故郷沖縄に戻り、4日からのダイキンオーキッドレディスに備えて練習する。世界との2連戦を終えて、ハードな移動。それでも、休む間はない。2日の練習後に北田とW杯帰国会見、3日はプロアマ戦、そして初日だ。 ライバルの横峯は2月17日から練習ラウンドをしているが、昨年の覇者に焦りはない。「ラウンドはプロアマの1回だけかも。知っているコースですから。沖縄の後輩、(アマの)諸見里しのぶ、宮里美香さんも出るので、みんなで盛り上げたい。2連覇は意識しませんが、結果的に優勝争いできたらいいですね」。 もちろん「日本の女王」不動への意識はある。位置付けは、ソレンスタムやウェブと同じ。自分よりも実力のある選手を見習い、追い越す努力をする。「賞金女王にはこだわりません。遠征で、目標がワールドワイドになりました」。日本で不動を見つめながらも、頭の中では「世界レベル」を描いてプレーする。 3月24日からはメジャーのクラフト・ナビスコ選手権に出場する。「今からすごい楽しみ。最低、予選通過はしたい。ただ、この2試合で大事だと思ったのは小技を磨くこと。世界と戦うには、今まで発想になかった転がすアプローチも必要だと痛感しました」。飛躍し続ける19歳は羽を休めず、沖縄でさらなる成長を目指す。
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