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2005/12/09(金)
王ジャパン「技」とスピード 4番は松井秀枠空けて待つ WBC代表29人発表
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来年3月に開催される野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の日本代表監督を務めるソフトバンク・王貞治GM兼監督(65)が9日、都内のホテルで代表メンバー29人を発表した。選考基準の1つを「日本的な特長を出せる選手」とした王監督は、全日本のエースにロッテ・渡辺俊介投手(29)を指名。独特のサブマリンを世界制覇への秘密兵器にする独自色を打ち出した。また、4番候補のヤンキース・松井秀喜外野手(31)については「出るものと確信している」と改めてラブコールを送った。
厳しい戦いを勝ち抜く武器を持った戦士をそろえた。壇上の王監督が野太い声で代表選手29人を読み上げた。04年アテネ五輪の出場メンバーは8人だけ。「日本的な野球の特長を出せる選手。足とか特長を持った選手を中心に選考した」指揮官が、長嶋ジャパンから大きく様変わりしたメンバーの選考基準を説明した。
米国や中南米の列強を打ち破るには、パワーではなく、技とスピード。名より実にこだわり、選び抜かれた王ジャパンの象徴ともいえるのが、エースに指名したロッテ・渡辺俊だ。「シーズン中から君を中心に考えているからと伝えていました。彼の特性は国際試合で必要。過去にも(前楽天の)川尻など、サイドスローのコントロールのいい投手が相手を苦しめていた」と、シーズン大詰めの9月後半に、宿敵の主戦投手に異例のエース通達を行っていたことを明かした。
本格派の松坂でも上原でもなく、サブマリンの軟投派を大黒柱に据えるところに、勝負に対する執着心がうかがえる。武田投手コーチも「MLBの使用球は牛革でなく馬革で、非常に変化する。だから変化球投手にはいいんじゃないかな」と指揮官の選択を後押しした。
野手陣では、イチロー、井口の1、2番コンビ以外にも、西岡、川崎、金城、青木と俊足選手がズラリ。一発に頼ることなく、勝負どころで1点を確実に取れるメンバー構成となった。「スモール・ベースボール」を担う役者をそろえ、あとは彼らをホームにかえす主砲の決断を待つだけだ。
この日の発表では、あえて松井の名は外した。だが、王監督の構想では4番はゴジラ以外に考えられない。「私の方では100%出てくれるものと思っている。先日(2日に都内で雑誌の対談で)も直接本人に話をした。まだ結論は出ていないが、必ずアメリカで一緒に戦ってくれると確信している」と、参加に難色を示していたヤンキースのチーム方針が軟化したこともあって自信たっぷり。「代わりの選手がどうとか考えていない。規約でいつまで待てるか分からないが、待つことが出来る範囲まで待ちます」と言い切った。
「出場できるという返事をもらった選手の中から、現在の日本で最強のチームが組めた」と胸を張った代表監督。最後の1ピースがそろったとき、頂点を狙えるチームが完成する。
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