|
2005/12/06(火)
原ひさ子さん死去、ほのぼのおばあちゃん役
|
|
|
映画、ドラマなどのおばあちゃん役で親しまれた女優の原ひさ子(はら・ひさこ、本名・石島久=いしじま・ひさ)さんが4日午後9時32分、心不全のため都内の病院で死去した。96歳だった。静岡県出身。現役最高齢格の女優として活躍した「日本のおばあちゃん」は、眠るように息を引き取り大往生を遂げた。
亡くなった4日も日課の散歩に出掛け、普段と変わらない生活をしていたという原さん。所属事務所によると同日夜の夕食後、自宅で家族とテレビを見ていたところ、眠るように意識をなくし、救急車の中で息を引き取った。同居していた長女夫妻がみとり、病院で死亡が確認された。
不整脈で薬を常用していたが、ここ数カ月は体調も良好。周囲は突然の死に驚いているという。
1933年に前進座に入団し、舞台女優としてデビュー。山中貞雄監督の「人情紙風船」(37年)をはじめ、多数の映画に出演。61年にNHKの教育番組「良太の村」でおばあちゃん役を演じてからは、1メートル50の小さな体と愛らしい笑顔で「日本のおばあちゃん」の代名詞的存在に。「踊る大捜査線」などの人気ドラマやCM、バラエティーにも引っ張りだこで、お茶の間で親しまれた。
99年には米紙ニューヨークタイムズが「日本の最高齢女優」として紹介。今年8月に公開された映画「サヨナラCOLOR」まで現役を貫いた。高齢の女優としては、NHKドラマ「おしん」に出演していた長岡輝子(97)が知られている。
俳句が趣味で、仲間と同好会を結成。会報の11月号には「短日や 長話(ながはなし)して 早日暮」という句を寄せた。先月8日に月刊誌「俳句界」(文學の森)で経済評論家・佐高信氏(60)と対談したのが最後の仕事となった。
◆原 ひさ子(はら・ひさこ)本名・石島久(いしじま・ひさ)。1909年(明42)8月6日、静岡市出身。母親に「これからの女性は手に職をつけなければ」と促され、新聞で募集していた前進座に入団。主な出演作にドラマ「中学生日記」「ふぞろいの林檎たち」「ひとつ屋根の下」「オヤジぃ。」、映画「青い山脈」「悪魔の手毬唄」「黒い雨」「三文役者」など。
|
|
|
|