|
2005/12/29(木)
硫化水素ガス?母子3人死亡、父親も重体…秋田の温泉
|
|
|
29日午後5時ごろ、秋田県湯沢市高松の泥湯温泉にある屋外共同駐車場脇の雪山の中で、宿泊客が倒れているのを、捜していた「奥山旅館」従業員が見つけた。
倒れていたのは、東京都豊島区西巣鴨2、東大助手松井泰(やすし)さん(47)一家で、市内の病院に運ばれたが、妻理恵さん(42)と長男で同区立清和小学校3年日々太(びいた)君(8)、二男で同1年智足(ちたる)君(6)が死亡、泰さんは意識不明の重体。4人は27日から3泊の予定で、同旅館に宿泊していた。
湯沢署の調べによると、現場は、共同駐車場脇に除雪した雪を集めてできた高さ1メートルほどの雪山で、下を硫化水素を含んだ湯が流れているため、熱で雪が解けて内部が空洞になっていた。理恵さんら3人は空洞の中でぐったりし、泰さんは空洞の入り口から家族を救出しようとして手を差し伸べた状態で倒れていた。
硫化水素ガスはふだん、風で大気中に拡散するが、積雪時には雪の壁でガスが滞留しやすくなり、危険性が増すという。同署は、空洞内にガスが滞留していたため、4人は呼吸障害を起こしたとみて調べている。
同県湯沢保健所も29日、職員を現地入りさせ、一帯のガス濃度などを調査している。
午後4時半ごろ、泰さんが旅館従業員に「家族3人が見当たらない」と連絡。泰さんと従業員が手分けして捜していた。旅館から共同駐車場までは約30メートルで、日々太君と智足君は駐車場で円盤遊具を使って遊んでいたという。
同旅館では、2000年2月、宿泊客と従業員ら計21人が硫化水素ガスが原因とみられる目の痛みを訴え、市内の病院で手当てを受ける事故があった。
地元消防本部によると、ガスの噴出が活発な区域については立ち入り禁止措置が取られているが、今回の事故現場は規制区域になっていなかった。当時、約2メートルの積雪があった。
泥湯温泉は、岩手県境に近い秋田県東南部の山間にあり、やや白濁した湯が特徴。同温泉には民宿を含めて4軒の宿泊施設があるが、冬季は奥山旅館だけが営業しているという。近年の温泉ブームで都会からの旅行客も多い。
|
|
|
|