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2005/12/24(土) <フィギュア>女子SP トップ荒川、2位村主、浅田は3位
フィギュアスケートのトリノ五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権第2日の24日は、東京・代々木第1体育館で女子ショートプログラム(SP)、アイスダンスのオリジナルダンス(OD)、男子フリーが行われた。代表枠3を争う女子は、04年の世界チャンピオン、荒川静香(プリンスホテル)がほぼ完ぺきな演技を見せ68.76点でトップ、村主章枝(avex)が2位につけた。グランプリ(GP)ファイナル優勝の浅田真央(グランプリ東海ク)はジャンプでミスして3位スタートとなった。4位に恩田美栄(東海学園大職)が入り、中野友加里(早大)が5位、安藤美姫(中京大中京高)は6位。
 代表枠1のアイスダンスは規定1位の渡辺心、木戸章之組(新横浜プリンスク)がODでもトップでリードを広げた。男子は、SPトップの織田信成(関大)、2位の高橋大輔(同)が、最終グループで代表枠1と初優勝をかけて争う。
 最終日の25日はアイスダンスと女子のフリーの後、五輪代表選考を行い、エキシビションの場で発表される。
 ▽恩田美栄 (今季最高の演技で4位)ジャンプとスケーティングは完ぺきと思う。フリーでは練習してきたことと自分を信じて、逃げないでやりたい。
 ▽中野友加里 (ノーミスの演技で5位)疲れが残る中でこれだけ滑れたので95点。GPファイナルより緊張した。ジャンプは着氷で腰が曲がって見栄えがよくなかった。
 ▽安藤美姫 (大きなミスなく6位)ルッツ―ループ(3―3回転連続ジャンプ)の回転不足が悔しい。その他は良かったと思う。これ以上負けることはないと思って臨んだ。
 ◇元世界女王の貫録 荒川SP首位
 伸びやかで堂々とした演技に、元世界女王の貫録がにじみ出ていた。上位6人が実力を発揮し合うハイレベルな争いで、SPトップに立ったのは荒川だった。
 冒頭の3―3回転連続ジャンプは「まだ自信がなくて」3―2回転に自重して降り、その後もジャンプを無難に降りた。中盤には左足を上げたY字スパイラルを数秒間維持し、さらに手を離して滑る新しい大技も披露。深くエッジの乗った安定感のある滑りは、だれにも真似できない美しさ。プログラム構成点は5項目中4項目が8点台だ。
 「SPは苦手意識があったが、課題としてきたことができた」と本人も満足そう。GPシリーズで2戦とも3位にとどまり、ファイナル進出を逃した。特にSPはステップやスピンなどで高難度の技を多く導入した分、ゆとりがなくなって本来の伸びやかさを失い、要素ごとのきめ細かさに欠けて得点を取りこぼしていた。
 この1カ月間、男子の高橋の振付師、ニコライ・モロゾフ・コーチの指導を受けるなどプログラムを手直し。前方に足を上げるスパイラルなどは捨てたが、独創性の高いY字スパイラルなどを入れて難度を上げてきた。
 五輪代表枠を争うライバルたちのノーミスの演技を見ても「伸び伸び滑っている人を見ると自分も落ち着く」と動じない。フリーに向けて「自分のためではなく、お客さんに見てもらおうという気持ちで滑りたい」。7年ぶりの国内での女王の座奪還、そしてトリノ切符獲得に向け、荒川の表情に自信が戻ってきた。
 ○…女子SPで、フラメンコの世界を情感豊かに表現した村主が2位に食い込んだ。有力選手の最後に登場した村主は「緊張して、いつもより硬かった」と話したものの、ジャンプを無難にまとめ、ステップやスパイラルで観客を魅了した。9月に右足の付け根を痛め、思うような演技からはほど遠かった今季だが、五輪代表選考の最後のチャンスに間に合った。「多くの方に迷惑や心配をかけた」という村主は、フリーのテーマの「希望の道」を引き合いに出して「五輪は雲の上にいるような大会だが、希望の道でかけ上がっていけるといい」と意欲を示した。
 ○…浅田真が珍しくジャンプをミスした。3回転ジャンプはコンビネーションも含めて完ぺきに跳んだのに、最後のダブルアクセル(2回転半)がシングルに。「思い切って行って、こけるといけない、と思って慎重に行き過ぎた」と苦笑い。それでも総要素点はトップで、ジャンプやスピンの質の高さを見せつけた。フリーでは「トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2回入れる」と宣言。最終日はトリノ五輪のし烈な代表争いとともに、女子史上初の高難度演技にも注目が集まりそうだ。


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