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2005/11/03(木)
<北朝鮮入国女性>仕事せず散歩や買い物… 帰国会見
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中国経由で2年前に北朝鮮へ亡命したとされる北川和美さん(31)が3日、ロシア・ウラジオストク発新潟着の航空機で帰国した。新潟市内で記者会見した北川さんは「日本が恋しくて帰りたくなった」と話した。 北川さんは03年8月24日、中国・丹東市を旅行中に中朝国境の鴨緑江を泳いで渡り、北朝鮮に亡命申請した。理由については「いろいろと事情があり、日本を離れたいと思った」と話した。 北朝鮮では、平壌市内のホテルで日本語を話す北朝鮮の若い女性と暮らし、散歩や買い物をしたり、ホテル内でボウリングなどをして過ごしていた。仕事はせず、北朝鮮当局からの教育も受けなかったという。 帰国は本人が望み、日本の支援者が直接北朝鮮政府と交渉して実現した。ホテルの滞在費も支援者らが立て替えたという。北川さんは「日本政府と国民の皆様に迷惑をかけ、反省している。北朝鮮政府は人道的に助けてくれた。感謝している」と述べた。 帰国は、日朝政府間対話の再開日と重なった。北川さんは「(ホテルで見た)ニュースで再開は知っていた」と話した。「北朝鮮当局から、対話再開について何か言うような指示はあったか」との問いには「何もありませんでした」と答えた。
■<日朝政府間対話>1年ぶりに再開 拉致で柔軟姿勢示唆も
約1年ぶりとなる日本と北朝鮮との政府間対話が3日、北京市内のホテルで始まった。日本側が拉致問題の解決へ向けた誠意ある対応を求めたのに対し、北朝鮮側は植民地支配などの「過去の清算」に関する協議を進めるよう主張したとみられる。今回の協議は4日まで2日間の予定で、初日は休憩を挟んで約5時間、夕食会も約2時間開かれた。 日朝の政府間対話は、拉致問題をめぐる第3回実務者協議が開かれた昨年11月以来。北朝鮮側が拉致被害者、横田めぐみさんのものとして提供した遺骨が日本側のDNA鑑定で別人のものと判明、北朝鮮側が反発し、中断していた。 北朝鮮側代表の宋日昊(ソンイルホ)・外務省アジア局副局長は3日の協議に入る前、拉致問題について「日本側に多くの質問と、解決のためにできることなどを提起しようと考えている」と記者団に語り、「拉致問題は解決済み」としてきた従来の姿勢より柔軟に対応する可能性を示唆。夕食会終了後には「双方が関心のある過去の清算と拉致問題について深い議論をした」と述べた。 日本側代表の斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官は3日午前の協議終了後、「非常に真剣にそれぞれの関心事項、お互いの立場について述べ合った」と記者団に語った。拉致問題の解決を最優先課題とする日本側は(1)横田めぐみさんの「ニセ遺骨」を提供した経緯の説明(2)生存者の早期帰国(3)真相究明と情報開示(4)拉致容疑者の引き渡し――を要求する方針。 4日の協議は北京の北朝鮮大使館に場所を変えて開かれる見通し。
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