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2005/11/28(月) JFK銭戦布告、藤川「この額ならやってく自信ない」
今オフ阪神でもっとも大幅昇給が期待される藤川球児投手(25)=写真左=の1回目の契約更改交渉は決裂に終わった。28日の交渉で球団提示の7000万円に首を振った藤川は最低ライン9000万円を胸に徹底抗戦の構え。これを伝え聞いた同志・久保田智之投手(24)=同右=も間もなく迎える交渉を前に藤川との共闘に奮い立っている。相手打線を震え上がらせたJFKVs阪神球団の戦いの幕がきって落とされる。

 今季の2200万円から3倍強の7000万円提示に「この額なら来季中継ぎをやっていく自信はないです。交渉がうまくいかなければ中継ぎを放棄して、みんながやりたがる先発をやって、ダメならダメと納得した方がいい」とまで言い放った藤川。シーズン同様の切れ味鋭いストレートを相手胸元にバンバン投げ込んだ。

 「爆発的に活躍してチームを優勝させたのに、今年1年だけの評価では年俸を上げてもらえない。球団の考え方に沿っていけば、平均的にそこそこ活躍していくのが一番給料があがっていくことになるでしょう。そんなことで『球界の盟主』を目指していけるんですかと言いました」

 最低9000万円、あわよくば1億円の大台突破を描いていたのに、ふたを開ければ7000万円を突きつけられたのだから、藤川の落胆も推して知るべしだが、「それでも僕は怒ってないですし、球団とケンカするわけじゃないです。対話を大事にゆっくり話し合っていきたい」と長期戦も辞さずの構えだ。

 ある意味、藤川以上に鼻息が荒かったのは、まだ交渉のマウンドに立っていないJFKのトリ、久保田だ。交渉決裂を聞き、「ハアァ」と深いため息をついた。

 「球児のことは気になりますよ。評価低いでしょう。(先に更改した)橋本と江草がもうちょっと頑張ると思ったんだけど、サインしちゃったからね。彼らをみても低いと思いますよ。今年は中継ぎががんばったし、貢献度はデカいですから、割があわないでしょう」と各投手の交渉状況を分析してから、自らの交渉についてこう話す。

 「自分の希望額はそれなりに決めてます。倍(今季3200万円→6400万円)は固いでしょう。7000万円? それ以上ですね。球児より低いのはあり得ない。去年の更改の最後に『1年間通して(活躍)できなかった』といわれたんで『来年頑張りますんで、上げてくださいね』と言い残しておいたんです。だから今年は妥協しないですよ」と久保田。セットアッパー以上に球団との対決姿勢は明確だ。

 JFKにロッテのYFKと、強いチームにはリリーバー3人セットがいることが今や球界の常識というのに、阪神は伝統的に中継ぎの評価が低い。

 フロントの一部に「リリーフは先発が無理な投手がやるもの」という偏見が根強く残っているのも大きな要因で、藤川の冒頭の発言もこれを踏まえてのものだ。

 短いイニングを投げる特性から白星を積み重ねにくく、防御率タイトルとも無縁。それでいて仕事は過酷。これでは被害者意識を持つのもある程度、仕方がない。

 さらにJFKの『構造的問題』として、Jことウィリアムスの存在がある。昨オフは一足お先に球団と長期の銭闘を繰り広げ、5400万円からほぼ倍額の1億420万円の2年契約を勝ち取っている。仕事は同じならサラリーも準じてくれ、というわけだ。

 藤川との交渉にあたった沼沢正二球団取締役(47)は、「最高の評価をして出した額。査定で出した評価を見直すことはできません。それ以外のところをどうするかということになる。納得いくまで話し合うしかないでしょう」と想像以上の激しいバトルに苦しげだ。

 FとKは今後、電話などでお互いに連絡を取り合って情報交換しながら共闘を誓う。シーズン中はこれ以上ないほど頼もしかったリリーフユニットが、オフには球団にとって一番の脅威となるのだから、皮肉なものである。(金額は推定)


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