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2005/11/24(木)
「女性・女系天皇を容認」皇室典範会議が首相に報告書
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皇位継承の在り方を検討してきた小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)は24日、女性天皇と、その子・孫(女系)の天皇即位を容認する報告書をまとめ、小泉首相に提出した。
報告書は「皇位の安定的な継承を維持するためには女性天皇・女系天皇へのみちを開くことが不可欠だ」と明記した。皇位継承順位は、男女を問わず、天皇の第1子から出生順に定める「長子優先」とした。これまでの男系男子による皇位継承を抜本的に変える内容となっている。
小泉首相は同日夜、首相官邸で記者団に「大変意義深い報告だ。報告を受けて、来年の通常国会に法案提出する準備を進めていかなければならない」と述べ、報告書を踏まえた皇室典範改正案を提出する意向を示した。
報告書通りに皇室典範が改正されれば、皇位継承者は女性皇族が加わることで、現在の6人から14人に増える。皇太子ご夫妻の長女である愛子さまの皇位継承順位は、皇太子さまに次ぐ2位となり、現在2位の秋篠宮さまが3位となる。
吉川座長は提出後の記者会見で、「中長期に通用する制度を作ったつもりだ。ただちに実行して欲しい」と述べ、今後、皇太子ご夫妻に男子が誕生しても、長子である愛子さまの継承順位を優先させるべきだとの考えを示した。
報告書では、男系男子による皇位継承について、「皇位の安定的継承は極めて困難だ。男系による継承を貫こうとすることは、伝統としての世襲そのものを危うくする結果をもたらす」として、皇位継承者不在の事態を招きかねないと強調している。女性・女系天皇容認の理由としては、<1>現在よりも格段に安定的な制度となる<2>国民の間で支持する素地が形成されている――などを挙げた。
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