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2005/11/21(月)
プレーオフ変わる 1位に無条件1勝 パ・プレーオフ制度
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パ・リーグ理事会が20日、宮崎市内のホテルで開かれ、プレーオフ制度の改革について集中審議した。2年連続でレギュラーシーズンを1位通過しながらV逸に終わった福岡ソフトバンクの改革案「1位チーム=リーグ優勝」は、4球団の反対で却下。代わりに「2位に5ゲーム差をつければ1勝」のアドバンテージを「無条件で1勝」と見直すことで合意したものの、ホークスにとっては不満も残る決着となった。 100%の答えは引き出せなかった。3時間に及んだ会議後の会見。決議内容を発表する小池会長の後ろで、ホークスの角田代表は複雑な表情を浮かべていた。レギュラーシーズン1位をリーグ優勝とする提案は、激論の末に却下された。 「根本的に訴えたかったのは、プレーオフの方法論よりレギュラーシーズンの価値をどう考えるかということ。結論について? それは言いにくい。アドバンテージは見直したわけだから、納得せざるを得ない」。はっきりとは口にしなかったものの、言葉の端々に無念さがにじんでいた。 会議は角田代表の提案をもとに、1位チームの扱いについての話し合いから始まった。約1時間半後、休憩を挟んでも結論は出ず、会議の大半をこの議題の討議に費やした。結局、提案に賛成したのはホークスと楽天のみ。「2対4」で、従来通りプレーオフを制したチームを優勝とすることが正式に決まった。 この後、議題が移ってアドバンテージを見直す過程でも妥協した。角田代表は「3ゲーム差で1勝」「サドンデス制」などの独自案を準備。結果的には、オリックスとロッテの反対にあいながら「無条件で1位チームに1勝」を引き出した。とはいえ、すべて1位チームに与えられていた第2ステージの興行権は最初の2試合のみに変更。角田代表は「2試合減るのは大きいが、実際に戦う選手たちのことを考えても1勝の重みの方が重要」と、渋々ながら受け入れたことを明かした。 プレーオフで2年連続敗退した直後から、角田代表は王監督、松中選手会長らと意見交換。「1位=優勝」を基本線として、複数の改革案を準備したうえで、この日に備えていた。結論を伝え聞いた王監督は「1位通過してリーグ優勝と認められないのは残念」とコメント。「2年間(プレーオフを)やって、やっとアドバンテージが1つつくのは大きな前進」と指摘するにとどまった。 現在、セ・リーグも07年以降のプレーオフ導入に向けて動いており、セとの協議が始まった際には、ホークス案を必ず提案する「担保」はもらった。が、2年も悲劇を味わったがゆえの思いもある。「今年がすべてではない。試行錯誤して、1年ずつ見直していけばいい」。1年で最も勝ちながら、追う立場から抜け出せない矛盾。角田代表の言葉に、消えない苦悩が表れていた。
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