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2005/11/10(木) ロッテ アジア初代王者へ快勝発進
初代アジア王者を決める「KONAMI CUP アジアシリーズ2005」が10日開幕し、ボビー・バレンタイン監督(55)率いるロッテは1次リーグ初戦でサムスン(韓国)と対戦。初回に元サムスンの李スンヨプ内野手(29)の左犠飛などで3点を先制し、6―2で快勝した。31年ぶりに日本一に輝いた“ボビーマジック”は健在。最大のライバルを撃破し、アジアNo・1へ向け好発進した。

 まるで千葉マリンのような感覚がナインに力を与えた。外野席は右翼から左翼までマリーンズ色の白に染まる。東京ドームが本拠地と化した。「本当に多くのファンが集まってくれて、そのパワーでプレッシャーをはねのけることができた」とバレンタイン監督は実戦のブランクを吹き飛ばした大声援に感謝した。

 阪神に4連勝して日本一に輝いた勢いは、2週間たっても衰えていなかった。初回から“ボビーチルドレン”が縦横無尽にグラウンドを駆け回る。先頭の21歳の西岡が「スンヨプのためにも絶対に負けられない」と右中間三塁打で出塁すると、2番に入った22歳の今江が「プレーオフ、日本シリーズの経験があるので緊張感に余裕があった」と中前へはじき返した。

 さらにサブローの右翼線二塁打で2点目を追加し、なおも無死二、三塁で李が左犠飛。三塁側に陣取った古巣のサムスン応援団からも拍手で迎えられ、笑みがこぼれた。

 8日夜にはレセプション終了後、李は元同僚のチン・カブヨン、キム・ジョンフンと食事に出掛けてリフレッシュした。2打席目以降は3打席凡打に終わったが「まさかサムスンと対戦することになるとは夢にも思わなかった。短期決戦で初戦を取った意味は大きい」。アジア制覇へ向けて最大の敵となるのはサムスンであることは誰よりも知っている。

 相手の情報が十分ではない状況でも指揮官は笑い飛ばす。「お互い知らないんだから不公平ではない」。ボビーマジックと呼ばれる、つながる打線は舞台が変わっても健在。初代アジア王者へあと3試合。風の吹かないドームだが、マリーンズの風はやむことはない。

 ≪小林宏 大役1勝≫先発の小林宏が6回6安打2失点で“アジア1勝”を挙げた。「試合をつくれたし、仕事ができた」。日本シリーズ第3戦から中15日で「(間隔が空いて)ちょっときつかった」と苦しんだが、5回まで無失点。6回には投球練習中に右太腿がつるアクシデント。それでも「代わるのは嫌だった」と2失点も根性でイニングの最後まで投げ切った。

 ≪YFK締めた≫最後を締めたのはYFKだ。まず左の藤田が4点リードの7回2死一塁で3番・パク・ハンイを空振り三振に仕留めると、8回2死一塁で登板した薮田もチン・カブヨンを見逃し三振。9回を守護神・小林雅が2三振を奪うなど3人で片付け「いい緊張感の中で投げられた。アジア一?そのつもりでやってますから」と頼もしかった。

 <サムスン ソン・ドンヨル監督 決勝でのリベンジ誓う>2―6の劣勢でもソン・ドンヨル監督はオ・スンファンを投入した。8回先頭、打席に李スンヨプ。「韓国でも生中継されているから」と笑った。新人ながら抑えに抜てきした韓国シリーズMVPの秘蔵っ子に「初めてのマウンドを経験させたかった」。スライダーで二飛に打ち取った投球に満足し、2球で下げた。

 セットアップのクォン・オジュンも慣らし登板させた。「バルガスは早く降板させるべきだったが、まだ試合がある。救援陣にはいい材料があった」。4投手で3回無失点の救援陣に手応えを得ていた。

 慎重に言葉を選んでいた宣監督だが「決勝でぶつかる可能性が高いからね」。エース・ペ・ヨンスを立ててのリベンジを胸に秘めた。

 【興農6―0チャイナスターズ】<台湾・興農 ピコタが好投>今季最多勝(16勝)の右腕ピコタが7回をわずか86球、散発4安打、無失点の好投を見せた。パナマ出身で「少年のころから屋根付き球場のアストロドームや東京ドームがあると知り、1度は投げたいと願っていた」と言うあこがれのマウンド。「捕手もよく見え、無風で投げやすかった」と多彩な変化球を操った。ノーラン・ライアンやロジャー・クレメンスを尊敬する39歳は「彼らにできれば、自分もできるはず」と健康管理を徹底し、40歳代での現役に意欲を見せていた。

 <中国・チャイナスターズ 完敗「相手投手が良かった」>零敗を喫したラフィーバー監督は「ウチのチームが元気がなかったように映るのは相手投手が良かったということだ」と完敗を認めた。先発のチェン・クンは5回無死一塁でボークを犯してから崩れ、3番手・ジャオ・ツァンシェンもボークから失点。ただ1人、2回無失点と好投したジャン・リは「個人的には満足だが、チームは万全な状態ではなかった」と話した。


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