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2005/10/05(水)
原監督就任会見「全知全能かけ戦い抜く」
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巨人・原辰徳新監督(47)が誕生!! 5日、都内のホテルで就任会見が行われた。屈辱の辞任会見から740日。この日の原新監督は実に晴れ晴れした表情だった。わずか2年で、まさかと思われた復帰を果たした裏には、小泉首相もビックリの圧倒的な支持率が背景にある。これには、渡辺恒雄球団会長も従わざるを得なかった格好となった。
迷走を続けた巨人の新監督選び。滝鼻オーナーと会見に臨んだ原新監督は、「再び、ジャイアンツのユニホームに袖を通すことになりました。ジャイアンツに対する愛情、情熱、責任の重さを背負って、最高のチームをつくりたい。全知全能をかけて戦い抜く」と力強い抱負を語った。
振り返れば、7月12、13日の札幌シリーズで中日に2−11、2−12の大惨敗を喫し、帰京した翌14日から、史上最長84日間にも及ぶ、次期監督を巡る報道がスタートした。まず原氏の名前が浮上し、阪神・星野シニアディレクターの招聘(しようへい)に失敗。OBの江川卓氏、中畑清氏の猛アピールも届かず、紆余(うよ)曲折の末に、終わってみれば原氏に落ち着いた。
当時の三山代表と原監督が衝突して、「読売グループ内の人事異動」という大ヒンシュクをかった監督交代劇からわずか2年。長嶋監督でも2度目の監督をするまでに12年のインターバルがあった。ここで原氏を再登板させたら“巨人は何をやっているの”と笑われるのは必至だが、それを承知で渡辺会長も原氏を復帰させるわけだ。
いくら人材難とはいえ、なぜ原氏はそんなにモテるのか。各メディアが報じた「次期監督」に関する世論調査も、すべて原氏が過半数近い票を集めて1位。他の候補が1位になったことは1回もなかった。
ある日本テレビ関係者は、「1年目で日本一になっているという実績があるし、2年前に辞めたのは、ダメだから辞めたわけではないことを、みんな分かっている。それに何といっても人柄でしょう」と指摘する。
外野席に「巨人愛83」、「辰徳ジャイアンツ。夢の続きをもう1度」といった横断幕が何度も登場したが、他の監督候補を熱望するものは出たことがなかった。
原人気はファンからだけではなく、選手からも高い。メッツ・松井稼、日本ハム・新庄が“原監督なら巨人に行きたい”と漏らしているというのだ。
今年、FA権を取得した巨人・前田は、当初複数年契約を要求し、「球団が受け入れなければメジャーを含めた他球団移籍」も示唆していた。が、原氏の監督就任が決定的になると、年俸は現状維持の1億1000万円の単年契約。「出来高の額がちょっと増えたぐらい」(前田)であっさり残留を決めた。その理由を前田は、「やはり原さんというのが大きいね。特別付き合いがあるわけではなくて、年に何回かゴルフをやるぐらいだけど。あの雰囲気。人を寄せつける魅力があるんだよ」と説明する。
エース・上原は、「年代が近いこともあるけど、ほとんどの選手が一緒にやってますからね。気心が知れてますから」と復帰を大歓迎した。
若手組では、林が「僕が1年目のときの監督ですから。ドラフト7巡目の僕にも、“家族は元気か?”などと、気楽に話していただいた」と振り返る。
夕刊フジ評論家の須藤豊前ヘッドコーチも、「野球に対する姿勢が真摯(しんし)。好感が持てる。03年にヘッドの話が来たときは、わざわざウチまで来て、自分が辞任して一緒にできなくなったときも“すみません”と言いに来た。キメが細かい」と明かした。
ただ、前回は、長嶋監督から2位のチームを禅譲されたが、今回は5位。チームはボロボロだ。それでも若大将は、巨人のために監督を引き受けた。清原の名言ではないが、それこそ泥水をすする覚悟だろう。どん底からスタートする原巨人。最大のパワーはジャイアンツ愛である。
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