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2005/10/25(火)
ボビー王手!史上初3戦連続2ケタ得点 日本シリーズ第3戦
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(日本シリーズ、阪神1−10ロッテ、第3戦、ロッテ3勝、25日、甲子園)敵地・甲子園でもロッテの勢いは衰えなかった。1−1の四回、シリーズ男・今江敏晃内野手(22)の適時内野安打などで2点を挙げると、七回に代打・橋本将捕手(29)の適時打、福浦和也内野手(29)の満塁弾などで7点を加え、3試合連続の2ケタ得点で10−1と大勝。26日、ボビー・バレンタイン監督(55)率いるロッテが、史上7度目となる4連勝で、31年ぶりの日本一に輝く。
強い、強すぎる。ロッテが3戦連続2ケタ得点、2ケタ安打の3連勝。逆襲を信じた甲子園の虎党も悲鳴を上げるしかない。シリーズ史上、最強打線を襲名するマリンガン打線にあって、この日も今江が、キラリ輝きを放った。
「記録が止まったけど、その後も状況、状況で仕事をしようと思っただけ。藤川さんはスゴイ投手だし、打てたのは奇跡に近い。今は心底から楽しんでやってやろう、という気持ちです」
シリーズ記録の8打席連続安打をひっさげ、迎えた敵地初戦。注目の二回の第1打席は、下柳のフォークに空振り三振。記録は「8」で途絶えたが、ここからがシリーズ男の本領発揮だった。
四回二死一、三塁で、タイムリー内野安打。再び“安打製造ライン”に乗ると、見せ場は七回無死一塁だ。マウンドには、阪神の誇るJFKの1人、藤川。六回にはクリーンアップが凡退。流れが相手に傾きかけたそのとき、“F”の自慢のまっすぐを右中間に運ぶ二塁打だ。この1打が利いて、一挙7点のビッグイニングを呼び込んだ。
3戦を終え12打数10安打、打率.833。昭和37年の吉田義男(阪神)の持つ、シリーズ最多安打記録の16本(7試合)に猛烈に迫る驚異の数字が生まれている。
こんなサプライズを演出しているのも、やはり“ボビー・マジック”だった。第1戦から2、8、7番と打順を替えるが、おもしろいほど今江の打順に好機が巡り、今江が作った好機が得点に結びついていくのだ。
実は、バレンタイン監督と、今江の絆は春のキャンプのときから、固く結ばれていた。夕食後に行われた夜間練習には、毎日5人を指名していたが、バレンタイン監督は、フランコ、初芝と熾烈(しれつ)な三塁争いをしていた今江をいつも指名していた。
毎晩2時間、ユニホームを真っ黒にしながらフルスイングを続ける若者の姿に、「これだけ才能があふれる選手はいない」と、バレンタイン監督も、今季のスパークに胸が躍るのを抑え切れなかった。
まな弟子・今江が打線を引っ張り、甲子園でも勢いを見せつけた“ボビー・ロッテ”。史上7度目のストレートの4連勝での日本一に、力強く王手をかけた。
「いい試合だった。ただ、明日、大事な試合が残っている。王手? 先は長いものだと思っているが、ベストを尽くすだけだ」
31年ぶりの頂点に向けあと1勝。バレンタイン監督は、ナインを頼もしそうに見つめていた。
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