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2005/10/16(日)
不動8億円突破 藍抜き賞金女王へ 女子プロゴルフツアー 富士通レディース最終日
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不動裕理(29)=フリー=が3バーディー、2ボギーの71で回り、通算12アンダーで逃げ切りV。今季5勝目、ツアー通算37勝目を飾った。優勝賞金1080万円を獲得し、日本女子ツアーでの生涯獲得賞金は8億372万9509円。日本ツアーでは、初めて8億円の大台を突破した。初めて不動との最終日最終組対決に挑んだ横峯さくら(サニーヘルス)は、通算9アンダーまでスコアを伸ばしたが、3打差の2位。宮里藍(サントリー)は10打差の12位に終わった。
派手なガッツポーズも、うれし涙もない。記念すべき勝利を挙げても、不動は淡々としていた。「先週(2位)のような同じ失敗を2度繰り返さなかった。それはうれしい」と、いつもの冷静さを貫いた。
普段通りの強さを見せつけた。6番でさくらがスコアを伸ばし、一時は2打差に。しかし、ここからが見せ場だった。7番ロング。第1打はさくらに80ヤードも引き離されたが、第3打を約2メートルに寄せバーディー。続く8番でもバーディーを奪うと、圧巻は9番(パー4)だ。第2打はグリーンに乗らず、カップまで約15ヤードの深いラフ。パーセーブも難しい状況に追い込まれた。しかし、サンドウエッジでフワリと上げたボールは、ピン手前1メートルに落ちると、そのままカップイン。3連続バーディーで、一気にさくらを突き放した。
15、16番では短いパットを外して連続ボギー。16番終了時点で2位のさくらとは3打差あったが「2打差と思っていた」。しかし“不動コンピューター”は、計算を間違えても“誤作動”は起こさない。上がり2ホールはきっちりパーセーブして逃げ切った。生涯獲得賞金は8億円の大台を突破。96年のプロ転向から10年目。222試合目にして、女子ツアーでは前人未到の金額に到達したが「なんで手元に残ってないんだろう」と笑わせた。
賞金ランクでも藍を抜き、約390万円差で1位を奪還。「そんなにこだわるものじゃないけど、ここまで来たら狙いたい」。5年連続賞金女王は、簡単に越えられない巨大な壁として藍とさくらの前にそびえ続ける。(高橋 宏磁)
◆アンダーパー新11試合連続達成
《宮里》猛チャージを狙ったが、3バーディー、2ボギーの71とスコアを伸ばせず通算2アンダー。不動とは10打差をつけられ12位に終わった。ただ、トータルでアンダーパーとし、ツアー新記録となる11試合連続アンダーパーは達成。「最後まで集中力が切れなかったのは良かった」賞金ランクでは不動に逆転されて2位となったが「僅(きん)差だし、入れ替わりはあると思う。来週はポーラ(クリーマー)も来るし、気持ちを切り替え、いいゴルフができれば」。
◆逆転Vならず
《横峯さくら》逆転Vはならなかった。不動との初めての最終日最終組対決に挑んだが、3打及ばず2位。それでも「単独2位に入れて良かった」と笑みを見せた。ただ、最終18番のパーには後悔が残った。ピン奥4メートルを決めていれば自身初の「トータル2ケタアンダー」と「3日間すべて60台」を達成できただけに「もう1つ(バーディーを)取って2ケタにしたかった」と唇をかんだ。
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