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2005/10/11(火)
<青木宣親>200安打達成 対横浜戦で イチロー以来
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プロ野球ヤクルトの青木宣親(のりちか)外野手(23)は11日、横浜21回戦(神宮)の一回、門倉健投手から右前打を放ち、プロ野球史上2人目のシーズン通算200安打に到達した。シーズン210安打のプロ野球記録をを達成した94年のイチロー(当時オリックス、現大リーグ・マリナーズ)以来の快挙。 青木は6日にセ・リーグ最多記録(192安打)を更新。9日の横浜戦で大台まであと1本に迫り、今季145試合目で達成した。この日は4打数2安打で安打数を201に伸ばした。イチローが200安打を放った94年は130試合制で、122試合目での到達だった。 青木は右投げ左打ち。宮崎・日向高から早大を経て、03年のドラフト4位指名でヤクルトに入団。早大時代の同僚に阪神・鳥谷敬内野手がいる。新人年の04年はイースタン首位打者。2年目の今季は開幕試合から2番・中堅でレギュラーに定着し、6月中旬から1番に固定された。オールスター戦明けの8月から急激に打率を伸ばした。現在、リーグ打率部門でトップを堅持。首位打者と新人王の獲得が確実視されている。 ▽ヤクルト・青木 達成できて良かった。イチローさんと数字は近づいたかもしれないが、僕のレベルはまだまだ。イチローさんは偉大な人です。次のステップはまだ考えられない。野球選手としての理想像を考え直せればいい。 ▽ヤクルト・若松監督 青木は簡単に打っちゃったね。すごいなあ。これに満足せず、技術を高めて頑張ってほしい。 ◇「1打席目に集中」と青木 青木の200安打到達は一回の第1打席、それも初球だった。 横浜・門倉の内角高めの直球を鋭い軸回転で振り抜くと、打球はやや高いバウンドで跳ねながら一、二塁間を割った。左方向への安打が多い青木だが、1番打者に昇格してから右方向にたたきつける打撃に開眼した。今季の急成長を物語る安打だった。 青木の姿を見ていると、数試合の中でも着実に進歩を遂げている様子がうかがえる。今月6日にセ・リーグ最多安打記録の193本目を放ったが、最多タイに並んでからは2試合連続無安打に終わっていた。初めて個人記録と戦うことの重苦しさを味わい、「追い詰められたような感覚があった」と心情を吐露した。 だが、200安打に王手をかけた後は、重圧とは無縁の心境を告白した。「193本目の時と比べると、今はあまりドキドキしないんです」。雨天中止で記録挑戦がお預けになっても「今まで通りに1打席目に集中したい」と泰然自若としていた。重圧をくぐり抜け、精神面が強くなった。 青木の成長を最も頼もしく思っているのは、来季監督の就任要請を受けているチームリーダー、古田かもしれない。「青木は実質1年目の選手。プレッシャーをはねのける経験をしたことで、ひと皮ふた皮、むけてくれた」。まだまだ23歳。大きな希望にあふれた野球人生が、青木の前に広がっている。 ◇得意は左への「流し打ち」 青木が流し打ちを得意としたことは、数字に顕著に表れている。打球方向別安打数をみると、センターから左に痛烈なゴロを転がして安打を稼ぐ打撃スタイルが裏付けられる。同じ左打者のイチローが200安打に到達した時点では、右翼への安打が62本と最も多く、青木とは対照的だ。 青木の内野安打は計51本に達し、イチローの33本を大幅に上回る。青木は内野安打でも投手、三塁、遊撃で33本とダイヤモンドの左半分が圧倒的に多い。内野安打を除く安打(本塁打含む)では左翼と左中間で65本、中堅51本と6割近くに上り、右翼と右中間への打球は34本しかない。 単打168本、1試合複数安打62回はセ・リーグ最多記録。1試合4安打以上を固め打ちした試合は計8回に及んだ。200安打到達時のイチローは12本塁打を放ったが、青木は3本にとどまっている。
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