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2005/10/01(土)
バリ島同時爆弾テロ 22人死亡 邦人女性も?
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インドネシアの観光地バリ島で一日午後七時十五分(日本時間同八時十五分)ごろ、複数回の爆発がほぼ同時に起きた。AP通信は少なくとも二十二人が死亡、五十人の負傷者が出ていると伝えているが、死傷者はさらに増える恐れがある。インドネシアのテロ対策担当者は同通信に対し、「明らかにテロ組織の犯行だ」と述べ、国際的な観光地を標的にした同時多発テロであると断定した。 犯行声明などは今のところ確認されていないが、欧米観光客を標的にした同時テロという手口や、二〇〇二年十月に同じくバリ島で起きたディスコ爆破テロと場所や発生した月が一致するといった特徴から、インドネシア治安当局は、イスラム過激派による犯行との見方を強めている。 爆発は、欧米やオーストラリアからの観光客が多い海岸沿いのクタ地区と、高級リゾートホテルが密集しているジンバラン地区で起きた。 オーストラリアや米国などからの観光客に死傷者が出ている。地元テレビは「カワサキ・アイコ」という名前の日本人女性が死者に含まれていると伝えた。日本政府などが確認してはない。 現地捜査当局はロイター通信に計二個の爆弾による爆発だとしているが、さらに多数回の爆発があったとの情報もある。 ジンバラン地区の現場は、外国人観光客でにぎわうシーフード・レストラン前で発生し、地元ラジオ局は「あたり一面に血が飛び散り、多数の人が倒れていた」という目撃者の証言を伝えた。 ジンバラン地区から約三十キロ離れたクタ地区での爆発は、人通りが多い中心部のショッピングセンター内にあるレストラン前で起きた。店舗が入居している二階建てビルの二階部分で爆発が起き、床が抜けるほど激しく破壊されたという。 今回の事件を受けて、ユドヨノ同国大統領は一日、犯行を「テロ攻撃」と強く非難する声明を出し、ジャカルタから現場に向かった。 インドネシアでは国際テロ組織、アルカーイダとつながりを持つ東南アジアのテロ組織、ジェマ・イスラミア(JI)の活動激化が指摘されており、八月末にも同大統領が爆弾テロの可能性を指摘し厳戒を指示していた。 二〇〇二年十月のバリ島ディスコ爆破テロは、同じクタ地区で発生し、オーストラリア人八十八人や日本人夫婦二人を含む二百二人が死亡。この事件でJIの関与が指摘され、メンバー三人が死刑判決を受けている。 同テロの後も、インドネシアでは〇三年八月のジャカルタでの米系ホテル爆破、〇四年九月のジャカルタの豪大使館爆破と、大規模なテロが例年発生しており、治安の悪化が懸念されていた。 ◇ ■連絡室を設置 外務省 バリ島での爆弾テロを受け、外務省は一日深夜、ジャカルタの在インドネシア日本大使館に現地対策本部を設置し、大使館員らをバリ島に派遣するとともに、二日午前零時、領事局邦人テロ対策室内に連絡室を設置した。また、地元メディアが「カワサキ・アイコ」という日本人とみられる女性が死亡したと報じたことについて、外務省は「確認中」としている。
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