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2005/01/26(水)
桶川ストーカー殺人訴訟、両親・県警双方の控訴棄却
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埼玉県桶川市で1999年10月、女子大生猪野詩織さん(当時21歳)が刺殺された事件で、詩織さんの両親が「殺害されたのは埼玉県警が適切な捜査を怠ったから」と主張して、県に約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。
秋山寿延裁判長は、「詩織さんの殺害は予見できなかったが、元交際相手らによる名誉棄損については適切な捜査を怠った」と述べ、計550万円の賠償を命じた1審・さいたま地裁判決を支持し、原告・被告双方の控訴を棄却した。両親は最高裁に上告する意向。
判決は殺害の予見可能性について、後に自殺した元交際相手の兄、小松武史被告(38)(1審・無期懲役、控訴中)らが張った中傷ビラに危害を加えるような内容がないことや、詩織さんの告訴状が名誉棄損容疑にとどまっていることを指摘。「殺害の具体的危険が切迫していたことを知ることは困難だった」との判断を示し、県警の過失を否定した。
一方、中傷ビラなどによる名誉棄損については、「元交際相手の事情聴取などを行えば、防止は容易だった」と指摘。そのうえで「告訴を受けていないように調書を改ざんするなど不誠実な対応を取り、警察への期待と信頼を裏切った」として慰謝料の支払いを命じた。
この事件を巡っては、県警の内部調査で、上尾署員が、告訴状取り下げを母親に要請したり、調書を改ざんしていたことが判明。元署員3人が虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われ、執行猶予の付いた懲役1年6月―1年2月の判決を受け、確定している。
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