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2005/01/22(土)
栃東 史上初2度目の大関復帰
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関脇栃東が栃乃洋を寄り切って10勝目を挙げ、史上初となる2度目の大関復帰を果たした。大関千代大海は関脇若の里を一気に押し出して勝ち越し、6度目のかど番を脱出した。若の里は7場所ぶりの負け越し。新小結白鵬は10勝目を挙げた。13日目に10度目の優勝を決めた横綱朝青龍は、関脇雅山を簡単にはたき込んで14連勝とし、5場所ぶり3度目の全勝優勝に王手をかけた。 栃東が昨年の名古屋場所と同じ14日目に、最終関門を突破した。マジック1とした土俵は、館内に鳴り響く手拍子に「パワーをもらった」という。栃乃洋に対して、立ち合い鋭く踏み込んだ。左差しこそはね上げられたが、強烈なおっつけで横を向かすと、瞬時に中へ入って寄り切った。 10勝目を手中にすると「地獄を2回見てきたし、開き直って一生懸命やったことがよかった」と、目をうるませた。前回は、左肩峰骨折を克服して大関に復活。だが、秋に右ひざを痛め、九州でも左肩甲骨を骨折して途中休場を強いられ、関脇に逆戻りした。今場所も出場すら危ぶまれたが、あえて試練に挑んだ。 昨年12月に豪華な新部屋が完成して移転した。部屋頭として周囲の期待は大きかった。実父で師匠の玉ノ井親方(元関脇)からも「あと2年は続けるよう言われている」と栃東。“十字架”を背負って場所に臨んだ。そして願いはかなった。 前回の大関復帰時のような号泣は今回はなかった。「同じ繰り返し。泣きっ面を見せても仕方がない。まだ、できるんだの気持ちが一番」と大関を17場所務めた男はまだまだ満足はしない。ただ、地獄を見た孝行息子をじっと見つめてきた師匠の玉ノ井親方は「めったに褒めないが、今回は褒めてやってもいい」と素直に称えた。
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