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2005/01/21(金)
<大相撲>朝青龍、2場所連続10回目優勝
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大相撲初場所13日目の21日、3敗の春日王、白鵬が敗れ、この時点で朝青龍の2場所連続10回目の優勝が決まった。朝青龍は反撃を許したものの若の里を寄り切り、全勝を堅持した。13日目の優勝決定は自身が初優勝した02年九州場所以来13場所ぶり。栃東が垣添を破り、大関復帰まであと1勝とした。 ◇強過ぎる“孤独” 朝青龍には意外に重圧のかかる一番だったはずだ。春日王、白鵬が敗れ、結びの20分以上前には優勝が決まっていた。「負けて優勝」では、それでなくても白け気味の場所に拍車をかけてしまう。 「ちょっと気合が落ちた」と認めた。若の里に左差しを許して攻め込まれたのは、そのせいか。だが、そこから見せた反撃の早業が、横綱の横綱たるゆえんだ。土俵際。左ですくって残した。勢い余って一瞬敵に背中を見せたが、振り向きざまに潜り込む。双差し。後は一気に寄るだけだった。 「相撲(内容)は負けたけど、気持ちが大事だ」と朝青龍。取組前の土俵下では「自分で自分に気合を入れた」と言う。九重審判長(元横綱・千代の富士)が「周りがだらしない。こんな優勝じゃ喜べないだろう」と憂う現状。当の朝青龍もライバル不在の悲哀を感じている。「みんな頑張ってほしいね」と漏らした。 場所前は風邪で体調を崩し、決してけいこ量は多くなかった。それでも独走が許される。通算優勝回数が2けたに乗ったことにも「一つの夢は達成した」と、どこかさめた表情だった。 初土俵から37場所目で10度の優勝に達した。到達までに要した場所数の少なさは、大横綱・大鵬を抜く新記録となった。このことを知らされた時だけ目を輝かせた。「ごっちゃんって電話するよ」。強過ぎる横綱の“孤独”を見た気がした。 ○…カド番の千代大海がようやく7勝目。立ち合い変化のある露鵬を相手に「立ち合いで(変化が)気になったが、悩むより思い切っていこう」とぶちかまし、一気に走った。「あと一番ですが」と聞かれて「はあ」と大きなため息。14日目の若の里は8連勝中と合口がいい。「力まずに土俵に上がれると思います」と、静かな口調の中に闘志を燃やしていた。 ○…栃東が垣添を降して9勝目。2度目の大関復位へあと1勝とした。背中を丸めて突き手を確実に当て、相手を棒立ちにさせる万全の相撲。栃東は「自分のペースで取れている」。大関の座が目前に迫ったが「意識はしていない。今場所は15日間取ることが目標だったから」と控えめだ。しかし、千代大海の相撲がテレビに映ると「行け、よし」。苦楽を共にした大関の奮闘へ無意識に声援。気持ちの高ぶりを抑え切れない様子が垣間見えた。
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