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2004/09/10(金) プロ野球 スト回避緊迫協議 選手会、新規参入の公募提案
 プロ野球オリックスと近鉄の球団合併をめぐり、労働組合・日本プロ野球選手会(古田敦也選手会長=ヤクルト)と日本プロ野球組織(NPB)は十日午前十一時から、前日に続いて協議・交渉委員会を大阪市内で開いた。「合併凍結」などを求める選手会側は、交渉期限の午後五時までに要求が受け入れられなければ、九月中の土、日曜の全試合(二軍戦を含む)で、プロ野球史上初めてのストライキ決行を予告しており、交渉結果が注目される。
 同委員会に先立ち、NPB側は午前九時から、セ、パ両リーグの会長が出席して臨時実行委員会を開催。球団新規参入の障壁とされる加盟料(六十億円)と参加料(三十億円)の見直しによる参入要件の緩和、ドラフト制度の改革など、スト回避に向けた譲歩案を協議した。
 しかし、オリックス、近鉄の球団合併は八日のオーナー会議で正式承認されたばかり。経営上の問題もあり、両球団とも凍結の意思はない。その点では、選手会側との妥協点がなく、スト回避を求めるNPB側にとっては厳しい状況。新規参入要件の緩和などで、どこまで譲歩できるかが交渉結果を左右しそうだ。
 また、九日に行った労使協議の席で、選手会側はスト回避へ向けた経営者側への提案の一つに、現状の十二球団制を維持するため新規参入企業の公募を要求していることが十日、分かった。
 オリックスと近鉄の球団合併を凍結し、一年間議論を尽くすことを求めている選手会にとっては譲歩案となるが、新規参入企業を公募することは、経営権に関する問題のため、九日の会議後に十二球団が持ち帰り、対応を検討。午前九時から行われている臨時実行委員会で各球団から報告を受けて協議し、午前十一時からの選手会との交渉で何らかの回答を出すもよう。
 選手会はこの回答を受け、スト権を行使するか否かを判断するとみられる。

2004/09/09(木) 球界発展につながる改革を=交渉中でも午後5時打ち切り−古田プロ野球選手会会長
 労組日本プロ野球選手会の古田敦也会長(ヤクルト捕手)は9日の阪神戦後に、試合前に出席した協議交渉委員会の印象について「正直よく分からない。仮にだいぶ歩み寄ってもらったとしても、だいぶ遠いな」と語り、「近鉄とオリックスの合併を凍結する気はないという話だった」と残念そうに話した。
 さらに、NPB側が新規参入球団の加盟料や参加料の撤廃を提案しただけでは、スト回避は「あり得ない」と明言した。
 「簡単に球団を減らすということに納得できない。そうでないと、今から野球を目指す小さい子やファンに顔向けできない。先(将来的)にいいものがあれば誰も文句は言わないが、限られたパイを少ない球団で分け合うというのなら球団は減る一方だ」と、野球界の将来的な発展につながる「改革」を強く望んだ。
 また、10日午後5時に設定されたスト決行の決断期限について、「ファンに通告しなければいけないし、迷惑を掛けることになる」として、交渉が続いていたとしても、同時刻には決断することを明らかにした。

2004/09/08(水) 「表層深層」 プロ野球オーナー会議
◇頓挫した球界再編
◇ストの影におびえて迷走
 プロ野球の臨時オーナー会議は8日、来季はセ・リーグ6、パ・リーグ5の11球団による変則的な2リーグ維持を決めた。「10球団による1リーグ移行」は、もう1組の合併がまとまらずに頓挫。大揺れの球界再編劇は「結局は1球団削減されただけ」の中途半端な結末となった。選手会の予告しているストライキ回避の妙案も編み出せないまま、プロ野球はいびつな2リーグで2005年シーズンを迎える。
 ▽進路定まらず
 東京・帝国ホテルのオーナー会議場は、約600人もの報道陣でごったがえした。しかし出席者に「プロ野球の新時代」を切り開こうという生気は乏しかった。
 「オリックスと近鉄の合併も先送り意見が出た。ストライキの可能性もあるから。でも基本的に経営側の問題で、棄権した広島と当該球団を除く9−0の満場一致で決まった」(ロッテ重光昭夫オーナー代行)
 「セ6、パ5で決まり。仮定の話は出ましたよ。6、3だ、いや5なんぼだと…。でも仮定の話はやめようとなった」(ヤクルト堀澄也オーナー)
 「将来どうなるんだという意見は出たが、将来のことを今、考えてどうするんだということになった」(中日・白井文吾オーナー) 国民的娯楽プロ野球の指導者たちが、球界の進路を決める重要会議で迷走の議論を続けた。
 ▽大義よりエゴ
 2カ月前の7月7日のオーナー会議には主役が2人いた。西武・堤義明オーナーが「もう一つの合併交渉が進展中」と爆弾発言。これを受けて巨人・渡辺恒雄オーナー(当時)が「10球団になれば来季から1リーグ」とぶち上げた。その後、ファンや選手会から
「性急すぎる」「世論無視」と批判されたが、7月の会議には「1リーグでプロ野球を再興する」との活力はあった。
 しかし「再編パズル」は迷路にはまった。ダイエーとロッテの合併協議は、ダイエー本体の再建策が足かせとなって暗礁に。次の組み合わせとして浮上したロッテと西武の合併交渉は、土壇場の6、7日と2日間連続で行われたが決裂した。
 ロッテと西武の合併案は事態打開の切り札になるはずだったが、関係者によると西武側が「持ち株比率は西武8、ロッテ2」を提案し、ロッテが激怒。ロッテの重光オーナー代行は7日の再会談であらためて「対等合併」を求めたが、西武は応じなかったという。
「球界再編の大義より、最後に自球団のエゴが出た」と関係者は言う。
 ▽主役降板
 再編の主役の一方だった堤オーナーが調整に失敗し、もう1人の旗振り役、渡辺氏は球団の不祥事でオーナーを辞任し、表舞台から去った。合併交渉をまとめきれなかった堤氏は、「もっとスムーズに行くと思ったが…。まあきょうのことはきょうのこと。将来の話はまた落ち着いて」と歯切れが悪かった。
 この日のオーナー会議は、かつて渡辺氏が「たかが選手」と相手にしなかった選手会のストライキ予告におびえていた。「ストの交渉日はあと2日しかない」(重光氏)「選手の方も少し譲るというか、お互いに譲り合わないとこの問題は解決しない」(堀氏)。
 だが選手会が要求した第一の柱、球団合併の凍結は結果的には素通りし、スト回避への有効な手だてを打てなかった。スト突入のタイムリミットが迫る。

2004/09/07(火) 広島で瞬間風速60・2m 観測史上最大、交通まひ
台風18号の接近に伴い、広島地方気象台は7日午後2時20分、広島市で最大瞬間風速60・2メートルを観測した。1937年に統計を取り始めて以来、最大の強風。
 これまでの記録は91年9月、中国地方で猛威をふるった台風19号の際の58・9メートルで、厳島神社(広島県宮島町)の社殿や農作物などに甚大な被害を与えた13年前の台風の猛威を超える強風を記録した。
 広島市内では根元から倒れた街路樹が目立ったほか、信号機や道路標識が倒れたり、停電で信号機が作動しなくなるなどの被害が続出。
 公共交通機関は、広島電鉄の路面電車、市中心部と郊外を結ぶアストラムラインや路線バスが運休し、市内の交通機関は一時まひ状態に陥った。

午後8時現在、山陰から北陸までの広い範囲を暴風域に巻き込みながら、石川県輪島市の西北西約170キロの日本海を時速約75キロで北東へ進んでいる。強い勢力を維持したまま北上し、8日朝には北日本に接近する見込み。気象庁は暴風や大雨、高波への警戒を呼びかけている。
 同庁によると、中心気圧は955ヘクトパスカルで、最大風速40メートル。中心の南東側310キロ以内と北西側190キロ以内では25メートル以上の暴風、南東側600キロ以内と北西側410キロ以内では15メートル以上の強い風が吹いている。

2004/09/06(月) <球団合併>12球団実行委で承認 予期せぬ混乱も
プロ野球の12球団臨時実行委員会が6日東京都内で開かれ、オリックス、近鉄の合併が賛成多数で承認された。しかし、採決では広島が棄権し全会一致とはならないなど、予期せぬ混乱もあった。
 選手会のスト権行使について、実行委の豊蔵一議長(セ・リーグ会長)は「統合(合併)の延期や中止を目的にしたストは、正当な目的に当たらない」としたうえで、「経営権の問題で、東京地裁、東京高裁でも判断が出た。両球団にはやむにやまれぬ統合で、ここまで手続きが進んだ。今止めるわけにはいかない」と話した。
 しかし、合併承認の採決では、広島が初めて両球団の合併に賛成できない立場を表明し、棄権。終了後、鈴木清明球団副本部長が、親企業を持たない市民球団として、「ファンの支持が得られていない合併に賛成できない」と苦渋の表情で話した。
 スト対策では、「実際に被害が出るのは各球団」との理由で、個別に対応する方針を確認した。入場券の販売方法など、球団ごとに条件が異なるため、損害賠償の算定基準も各球団ごとになる。 このほか、野球協約にあるプロ野球に新規加入する場合の参加料60億円、加盟料30億円を見直すことを決めた。「必要があれば、それぞれの金額以内を支払う」という方向で、11月のオーナー会議で協約を改正する方針。
 また、オリックス、近鉄の合併球団のドラフト参加について協議し、合併球団は自由獲得枠の参加を見送り、4巡目から新人選手の指名に参加する内容で合意した。
 注目されるオリックス、近鉄以外の「もう一つの合併」については、具体的な球団名が報告されなかった。出席者によると、西武とロッテから「8日のオーナー会議になる」と説明があり、西武の堤義明オーナーから何らかの報告がある見通し。新たな合併の報告は、8日のオーナー会議が最終期限と12球団で確認している。

 ◆各球団代表ら談話
 ▽阪神・野崎勝義球団社長 (ストは)厳しい設定だ。でも(合併は)元には戻せないということです。だが、1回目(11、12日)のストは延期して、2回目(18、19日)は回避してほしい。
 ▽中日・伊藤一正球団代表 6ゲームを再試合で行うのは日程的にも難しい。(ストが実施された場合の優勝チームは)セ・リーグのアグリーメントに従い、勝率1位のチームになるのでは。
 ▽巨人・清武英利球団代表 まだ選手会側との協議があるので、相手の要望を考慮して最後まで話し合う。要望にはきちんと検討して対応したい。(今回のストは)違法ストで損害賠償の対象になり得るということは、一致している。
 ▽ヤクルト・倉島今朝徳球団常務 パ・リーグの「もう一つの合併」は事務作業上も間に合わないという印象だ。巨人のパ移籍については(理事会で)球団の公式見解ではないと説明を受けた。
 ▽広島・鈴木清明球団副本部長 (合併承認の賛否で唯一棄権)広島のファンの中にも「カープがなくなる」との危機感があり、それを避けるために支えてもらっている。(合併反対の)ファンの声は無視できなかった。(反対しなかったのは)合併自体は法的にきちんとしているためだ。
 ▽近鉄・小林哲也球団社長 ストは内容によっては違法で問題のあるストになる。私どもは損害賠償を請求すべきだと思う。9、10日に向こう(選手会側)と話し合う。
 ▽ダイエー・佐藤賢二球団代表 選手会側の要望は合併凍結だけではない。そのあたり(合併凍結以外の要求)がどうなるかなという感じ。ストは球団側にも選手側にも良い結果を生まない。何とか妥協点を見出せれば。
 ▽西武・星野好男球団代表 (ストへの対応は)弁護士と相談し、今度の会議までにはまとめる。(損害賠償請求については)そういう話も出たが、これから検討する。
 ▽日本ハム・小嶋武士オーナー代行 (合併は)経営権にかかわる問題で、経営権に対するストには「問題あり」という認識だ。損害賠償を検討せざるを得ないという認識で各球団が一致した。
 ▽ロッテ・瀬戸山隆三球団代表 (ストは)話し合いで基本的には回避できると思っている。(11、12日はプレーオフ争い直接対決の)日本ハム戦でもあるのでできれば回避してほしい。
 ▽オリックス・小泉隆司球団社長 (ストについて)これから時間がある。できたら回避してほしい。何度でも(選手会側と)話し合いたい。損害賠償は手段の一つとしては検討していきたい。

2004/09/05(日) 勝手に合併したらあかん 大阪東京のファンら1500人デモ
「バファローズを守ろう」「勝手に合併したらあかん」。プラカードや横断幕を手にしたプロ野球ファンらが5日、近鉄とオリックスの合併反対を訴え、大阪市内約4・5キロをデモ行進した。
 地域密着型の市民球団創設を目指し、大阪府内の自営業者らがつくった「大阪の未来を考える会」(遠藤敬代表)が呼び掛け、同会によると最終的に約1300人が参加。
 近鉄のユニホームを着たファンらが、パ・リーグ連盟歌などを合唱し大阪の中心街をデモ行進。近鉄の球団事務所が入るビルの前では「あんたたちだけの球団やないで」などと声を上げた。
 同会は2日、決起集会を開いて約70万人の署名を近鉄の礒部公一選手会長に渡した。オーナー会議前日の7日に、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんらが代表を務める「野球の未来を創る会」などと合流。12球団の選手会も参加して合併反対の総決起集会を開く。


一方、東京でもプロ野球の球団合併に反対するファンら約200人(主催者発表)が5日、東京都港区の芝公園から千代田区の日比谷公園まで約3キロをデモ行進した。雨の中、「安易な合併反対」「選手とファンを無視するな」などと声を張り上げた。
 デモは、ファンらがインターネットを通じて集まり結成した「プロ野球球団合併反対の会」と、アルバイト仲間でつくった「プロ野球の真の改革を目指す会」の2団体が主催した。8月1日に都内で行ったデモに続くもの。参加したファンらは「パ・リーグは俺(おれ)たちの誇り」「心はひとつ、リーグはふたつ」などのプラカードを掲げながら、パ・リーグの連盟歌「白いボールのファンタジー」を大声で合唱し、パ・リーグ6球団の存続を求めた。
 「目指す会」代表の東京都大田区、フリーター、宮崎成哲さん(23)は「8日のオーナー会議の前に合併反対の意思表示をしたかった」。「合併反対の会」代表の千葉県市川市、大学院生、鈴木伸治さん(32)は、選手会が検討しているストライキについて「2〜3試合のストなら意味がない。長期のストなら、選手会を支持する」と話した。
 横浜市から来た会社員の男性(26)は「ずっと近鉄ファンで、今後も近鉄の試合を見たいだけ。球団オーナーはファンの声を少しでも聞くべきだ」と訴えた。

2004/09/04(土) 死者322人、半数は子供 ロシア最悪のテロ
4日共同】特殊部隊が突入したロシア南部北オセチア共和国ベスランの学校人質事件で、ロシア最高検のフリジンスキー次席検事は4日、死者が322人に達し、約半数の155人が子供だと発表した。ロシアで最近起きたテロの中でも最悪の惨事となり、チェチェン独立派への強硬姿勢を貫いてきたプーチン大統領は厳しい立場に追い込まれそうだ。
 地元治安当局筋は同日、犯人側が学校の改修工事の際、大量の武器を校舎内に隠していたことを明らかにした。テロは周到に準備された犯行だった可能性が強まった。
 フリジンスキー最高検次席検事は、犯人グループの26人を射殺するなどして殺害し、逃走犯は「まずいない」と言明、掃討作戦は終了したと述べた。当初、3人の犯人が拘束されたと伝えられていたが、拘束した犯人もいないと語った。
無残に崩れ落ちた体育館のがれきの下に、焼けこげた子どもたちの遺体が散乱していた。大流血の結末を迎えたロシア・北オセチヤ共和国の学校占拠事件。軍の「制圧宣言」にもかかわらず、多くの人質の消息は不明のままで、現地対策本部が発表する犠牲者数には、疑いのまなざしが向けられている。

 人口わずか3万5000人。だれもが顔見知りの地方都市・ベスランは、無差別テロへの憤りとロシア政府への不信感に覆われた。

 学校への軍特殊部隊突入から数時間を経た3日夜、市内プロフソユズ通りのアパート前に救急車が止まり、白いシーツにくるまれた少女をいとおしげに抱きしめた父親が降りた。

 少女は父親の肩に顔を伏せ、シーツの下で血にまみれた裸の手足が力無く揺れている。テロの犠牲になった人質、6年生アリーナ・フベツォワちゃん(11)の無言の帰宅だった。
 数分後、上階の少女の自宅の窓から、家族らの悲鳴と号泣が響き渡り、近所の人々が泣きはらした目で窓を見上げた。
 数十メートル離れた民家の前でも、年老いた女性が声を上げて泣いていた。人質になった何人もの親せき同様の隣人たちの生死が、いまだに不明なのだ。「事件が終わったのに何の沙汰もない。小さな街だから、生きていればすぐ分かるはずなのに」と訴える。同様の光景が街のあちらこちらで繰り広げられていた。
 学校に向けて街道を大型の保冷トラックが何台も走っていった。自動小銃を抱えた治安機関関係者が、「遺体を運び出しに行くのだ」と説明する。「そんなに犠牲者は多いのか」と聞くと、こっくりうなずいた。
 政府は、当初、人質の総数を354人と過少に公表、決着後に実は1000人以上だったことを認めた。犠牲者数についても、同様の情報操作が行われているのではないか、との疑念が住民の胸をさいなんでいた。
 「なぜ、我々までだますのか」と、我が子の帰りを待つ女性が怒りの声を上げた。
 夜になり、当局から流れる犠牲者数が次第に増えるにつれ、ベスランの悲嘆と怒りも深まっていった。

 

2004/09/03(金) ロシア学校占拠事件の死者、250人に
チェチェン武装勢力と見られるグループがロシア・北オセチヤ共和国の中等学校を占拠していた事件で、ロシアの特殊部隊は3日午後1時(日本時間同6時)ごろ、犯行グループが立てこもっていた学校に突入、学校を制圧した。

 露政府高官は、突入作戦による死者が「150人をはるかに超える」と述べた。人質は約1200人いたことが判明し、負傷者も児童・生徒を含め500人を超えた模様だ。事件は発生から丸2日でほぼ終結したが、2002年に起きたモスクワの劇場占拠事件を上回る大惨事になった。

 アスラハノフ露大統領顧問は3日夜、ロシアの記者団に「死者数は150人を超す」と語った。同顧問は、突入作戦の前に犯人と電話で接触、犯人側は「人質は1200人。うち70%は子供だ」と語ったという。また、救出された人質の1人は本紙の取材に、「体育館内には約1500人の人質がいた」と語った。犠牲者の中に、多数の子供が含まれているのは確実だ。

 英民放テレビITVは、「体育館に入ったカメラマンが遺体約100体を目撃した」と報じた。体育館は犯行グループによって爆破され、屋根が崩落したという。ロシアの民放NTVは、死者は最終的に数百人に達する見通しと伝えた。

 ◆犯行グループの一部逃走、立てこもり?◆

 現地対策本部は3日午後現在、正確な死傷者数を明らかにしていないが、「人質救出作戦は終了した」と発表した。地元当局者は、子供を中心に人質少なくとも520人が負傷し、病院に搬入されたとしている。インターファクス通信は、犯人グループのうち20人が殺害されたと伝えた。

 犯人の一部が逃走し、子供を人質に取って3日夕も立てこもりを続けているとの情報もある。同日午後8時(日本時間4日午前1時)ごろには、学校付近で大きな爆音が響いた。

 現地当局筋によると、同日午後、現場付近に放置されていた10―20体の遺体を搬出することで犯人側と合意、作業員にまぎれこんだ特殊部隊員と犯行グループの間で激しい銃撃戦が始まった。遺体の搬出に際し、犯人側が爆発物を爆発させ、銃を乱射したため、銃撃戦になったとの情報もある。現地入りしているロシア政府高官は、「状況の変化で、実力行使を余儀なくされた。武力行使は計画していなかった」と述べた。

 現場では2時間以上にわたり銃声が響き、ロシア軍のヘリコプター4機も出動した。銃撃戦が始まって約30分後から、人質が次々に徒歩で逃げ出し、救急車での搬出も始まった。

 犯行グループは、逃げる人質を後ろから銃撃しており、救出現場で倒れ込む人質もいた。体育館内の暑さのためか、裸や下着姿で救出される女性や子供が目立ち、救出直後に水を飲む光景が見られた。

2004/09/02(木) 「商品にならない」キャベツ畑覆う火山灰…浅間山噴火
群馬、長野県境の浅間山の噴火から一夜明けた2日、ふもとの群馬県嬬恋村の避難所に一時、自主避難していた別荘利用者ら53人は、午前中に全員が施設を出た。噴火活動は小康状態が続いており、これまでに、けが人はいないものの、広範囲にわたる降灰で特産のキャベツなど農作物への被害が懸念されている。

 気象庁や地元自治体は同日朝から、降灰状況の調査を始めたが、農家からは「野菜の収穫を控え、売り物にならなくなる」と不安の声が上がっている。

 群馬県長野原町のキャベツ畑では、2日未明からの雨で、収穫直前のキャベツを火山灰が黒く覆っていた。約6アールのキャベツ畑を持つ農業小林三男さん(44)は「これは全滅だな。商品にならない」と顔を曇らせた。早朝から畑を見回ったが、キャベツの葉の奥まで灰が入り込んでいたという。

 群馬県によると、県内の長野原町や吾妻町、片品村など10市町村で降灰を確認。キャベツやレタス、ハクサイなど葉もの野菜の畑が広がる地域だけに、同県農業局では「収穫間際で葉に灰が付着すれば、売り物にならなくなる。どれだけ被害が広がるのだろうか」と心配している。

 同県中之条町でナスを生産している農業角田浩一さん(65)はこの日朝、取り入れたナスの灰をホースで洗い落として袋詰めにした。角田さんは「10月まで続く収穫に影響がなければいいが」と話していた。

          ◇

 浅間山周辺は2日午前0時ごろから雨となり、山頂付近は雲や霧に覆われ、ふもとからは噴煙など噴火の状況はうかがえない。

 浅間山北東部の嬬恋村では、村内に設けられた避難所4か所のうち大前活性化センターで不安な一夜を過ごした別荘利用の観光客ら11人が2日朝、一様に疲れた表情で、差し入れのみそ汁を口にした。

 友人3人と浅間山ふもとの貸別荘に来ていた千葉県八千代市、大学生櫛田昌孝さん(20)は「初めは地震かと思った。こんな経験をするとは思わなかった」と興奮さめやらぬ様子で話した。

 嬬恋村役場の浅間山噴火対策本部では、職員や消防団員など約50人が夜通し警戒を続けた。村職員約30人は午前7時から、道路や水道施設などの被害調査を開始。村内のキャベツ畑ではJA職員らが火山灰の被害を調べている。

 また、長野原町では2日、通学区域が一部通行止めになり、応桑幼稚園と北軽井沢小学校、西中学校がそれぞれ休校になった。

 一方、気象庁から派遣された火山監視・情報センター職員4人は同日、嬬恋村などの国道146号沿いを中心に降灰状況を調査。路面上の灰は雨でぬかるみ、車のボンネットには灰がうっすらと積もっていた。

2004/09/01(水) 浅間山が噴火、噴石は中腹まで飛散
1日午後8時過ぎ、群馬・長野県境の浅間山(2568メートル)が噴火、噴石が山の中腹まで飛散し、火口の西側では山火事も発生している。山頂火口で小―中規模の噴火が起きたとみられ、気象庁では臨時火山情報を出して注意を呼びかけている。

 中腹まで噴石を飛ばす規模の噴火は1983年4月8日以来。気象庁では今回の噴火も同レベルと見ている。

 同庁によると、噴火したのは午後8時2分ごろ。大きな爆発音と空気の振動を観測、噴石が中腹以上の広い範囲で確認された。雲がかかっているため、噴煙の高さは不明。浅間山の噴火は2003年4月18日以来で、浅間山北側の群馬県嬬恋村では1日午後11時現在、避難所に指定されている公民館3か所に27人が自主避難している。

 同庁では、昨年11月から火山活動レベルを0(長期間火山の活動の兆候がない)―5(極めて大規模な噴火活動)に分類しているが、今回の噴火を受けて、浅間山の活動レベルを2(やや活発な火山活動)から3(小、中規模噴火活動)に引き上げた。

 浅間山では、8月31日午後3時ごろから火山性地震の発生回数が増え始め、同日が116回、1日は午後8時までに304回、観測されていた。午前10時の段階では、噴煙は白色で高さは200メートルだった。

 気象庁火山課では「噴火に伴う火山性微動は徐々に小さくなっており、小康状態にある」と見ている。山頂の北北東約3キロに設置されている傾斜計のデータでは、爆発によって火山内部の圧力が抜けたと見られる変化が観測されており、1983年の噴火時と同様、マグマの活動によってたまった火山性ガスが噴き出たという見方が出ている。

 藤井敏嗣・火山噴火予知連絡会長の話「昨日から火山性地震が浅間山で断続的に起きていたが、噴火するとは考えていなかった。噴火規模は、浅間山噴火の最近20年の歴史では、最も大きな噴火の1つといえる。現時点で、最初の噴火以降は山頂部の活動は沈静化していると見られるが、今後の推移についてはデータが限られているので分からない。今後は浅間山全体の膨張など地殻の変動を注意深く見守っていく必要がある」

 ◆火山情報=火山活動の変化の有無にかかわらず出される「定期火山情報」、注意報に相当し、防災上の注意をよびかける「臨時火山情報」、非常に活発な火山活動が起き、緊急警戒の必要がある時に出される「緊急火山情報」の3種類がある。


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