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2004/09/03(金)
ロシア学校占拠事件の死者、250人に
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チェチェン武装勢力と見られるグループがロシア・北オセチヤ共和国の中等学校を占拠していた事件で、ロシアの特殊部隊は3日午後1時(日本時間同6時)ごろ、犯行グループが立てこもっていた学校に突入、学校を制圧した。
露政府高官は、突入作戦による死者が「150人をはるかに超える」と述べた。人質は約1200人いたことが判明し、負傷者も児童・生徒を含め500人を超えた模様だ。事件は発生から丸2日でほぼ終結したが、2002年に起きたモスクワの劇場占拠事件を上回る大惨事になった。
アスラハノフ露大統領顧問は3日夜、ロシアの記者団に「死者数は150人を超す」と語った。同顧問は、突入作戦の前に犯人と電話で接触、犯人側は「人質は1200人。うち70%は子供だ」と語ったという。また、救出された人質の1人は本紙の取材に、「体育館内には約1500人の人質がいた」と語った。犠牲者の中に、多数の子供が含まれているのは確実だ。
英民放テレビITVは、「体育館に入ったカメラマンが遺体約100体を目撃した」と報じた。体育館は犯行グループによって爆破され、屋根が崩落したという。ロシアの民放NTVは、死者は最終的に数百人に達する見通しと伝えた。
◆犯行グループの一部逃走、立てこもり?◆
現地対策本部は3日午後現在、正確な死傷者数を明らかにしていないが、「人質救出作戦は終了した」と発表した。地元当局者は、子供を中心に人質少なくとも520人が負傷し、病院に搬入されたとしている。インターファクス通信は、犯人グループのうち20人が殺害されたと伝えた。
犯人の一部が逃走し、子供を人質に取って3日夕も立てこもりを続けているとの情報もある。同日午後8時(日本時間4日午前1時)ごろには、学校付近で大きな爆音が響いた。
現地当局筋によると、同日午後、現場付近に放置されていた10―20体の遺体を搬出することで犯人側と合意、作業員にまぎれこんだ特殊部隊員と犯行グループの間で激しい銃撃戦が始まった。遺体の搬出に際し、犯人側が爆発物を爆発させ、銃を乱射したため、銃撃戦になったとの情報もある。現地入りしているロシア政府高官は、「状況の変化で、実力行使を余儀なくされた。武力行使は計画していなかった」と述べた。
現場では2時間以上にわたり銃声が響き、ロシア軍のヘリコプター4機も出動した。銃撃戦が始まって約30分後から、人質が次々に徒歩で逃げ出し、救急車での搬出も始まった。
犯行グループは、逃げる人質を後ろから銃撃しており、救出現場で倒れ込む人質もいた。体育館内の暑さのためか、裸や下着姿で救出される女性や子供が目立ち、救出直後に水を飲む光景が見られた。
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