|
2004/09/23(木)
プロ野球スト収拾…12球団維持へ
|
|
|
球界再編を巡る日本プロフェッショナル野球組織(NPB)と労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)の協議・交渉委員会が23日に開かれ、7項目で合意、25、26日に予定されていた第2波ストライキは中止となった。
新規参入を希望する球団の審査が速やかに開始され、来季もセ・リーグ6、パ・リーグ6の12球団で運営される見通しとなった。これで、ストライキ決行に至ったプロ野球70年の歴史で最悪の事態に終止符が打たれたが、ファンの野球離れが指摘される中、野球再生に向け、球団、選手が一体となった取り組みが求められている。
交渉は前日に引き続き名古屋市内のホテルで行われ、〈1〉来季12球団に戻すことを視野に入れ、速やかに審査する〈2〉審査過程を可能な限り開示〈3〉NPBと選手会は1年をかけ、ドラフト改革、年俸問題を協議する――などで合意し、NPBの瀬戸山隆三選手関係委員長と古田選手会長が合意文書に調印した。
今回の合意で、第2波ストライキが予定されていた25、26日の巨人―阪神(東京ドーム)、横浜―中日(横浜)、広島―ヤクルト(広島)の計6試合は予定通り開催されることになった。
交渉では、NPBが、来季から新規球団が審査を経て参入する可能性があることを明言したことで、選手会側と歩み寄った。新規参入企業として、既にIT関連企業「ライブドア」(堀江貴文社長)が参入申請を行い、インターネット商取引大手「楽天」(三木谷浩史社長)も24日の申請を表明している。
また、オリックスと近鉄の統合に際し、統合球団がプロテクト(優先確保)する選手の配分方法について、選手会が希望球団に移籍できるよう求め、これがもう一つの争点となっていたが、NPB側がプロテクト選手以外は柔軟に対応することで合意した。
さらに、NPBと選手会は「構造改革協議会」を設けて、ドラフト改革や年俸の減額制限緩和などをテーマに協議、プロ野球の将来像を共に描くことになった。
今後のプロ野球再生に向け、セ、パ両リーグの交流試合の導入、国際大会の実施、ファンサービスの充実などが検討課題に挙がっている。
◆滝鼻卓雄・オーナー会議議長(巨人オーナー)「最終的にストが回避されたことは、各球団と選手会との真剣な話し合いが実った結果と思います。これからは、ご心配をかけたファンの皆様にさらに魅力のあるゲームをお見せするよう様々な仕組みを創設し、すべての野球ファンの熱望におこたえしたい」
◆古田選手会長「12球団維持、もしくはそれ以上という意味で、球団を増やしてファンに喜んでもらえる仕組みを確立できた。そういう意味で非常にいい内容で妥結できたと思う。今がまだスタート地点。本当にファンに愛される球界にするべく、努力したい」
◆NPBと選手会の7項目合意(骨子)◆
<1>NPBは2005年シーズンにセ、パ12球団に戻すことを視野に、(新規参入球団の)参加資格の審査を進める。
<2>審査は審査小委員会が担当、1か月をめどに答申する。
<3>加盟料・参加料を撤廃、預かり保証金制度を導入。
<4>小委員会の審査過程を透明化。
<5>来季参入が可となった場合、NPBはその参入が円滑になされるように協力。
<6>分配ドラフトへの新規参入球団の参加を認め、戦力均衡を図るために協力する。
<7>NPBは、選手会との間で、プロ野球構造改革協議会(仮称)を設ける。
|
|
|
|