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2004/09/01(水)
浅間山が噴火、噴石は中腹まで飛散
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1日午後8時過ぎ、群馬・長野県境の浅間山(2568メートル)が噴火、噴石が山の中腹まで飛散し、火口の西側では山火事も発生している。山頂火口で小―中規模の噴火が起きたとみられ、気象庁では臨時火山情報を出して注意を呼びかけている。
中腹まで噴石を飛ばす規模の噴火は1983年4月8日以来。気象庁では今回の噴火も同レベルと見ている。
同庁によると、噴火したのは午後8時2分ごろ。大きな爆発音と空気の振動を観測、噴石が中腹以上の広い範囲で確認された。雲がかかっているため、噴煙の高さは不明。浅間山の噴火は2003年4月18日以来で、浅間山北側の群馬県嬬恋村では1日午後11時現在、避難所に指定されている公民館3か所に27人が自主避難している。
同庁では、昨年11月から火山活動レベルを0(長期間火山の活動の兆候がない)―5(極めて大規模な噴火活動)に分類しているが、今回の噴火を受けて、浅間山の活動レベルを2(やや活発な火山活動)から3(小、中規模噴火活動)に引き上げた。
浅間山では、8月31日午後3時ごろから火山性地震の発生回数が増え始め、同日が116回、1日は午後8時までに304回、観測されていた。午前10時の段階では、噴煙は白色で高さは200メートルだった。
気象庁火山課では「噴火に伴う火山性微動は徐々に小さくなっており、小康状態にある」と見ている。山頂の北北東約3キロに設置されている傾斜計のデータでは、爆発によって火山内部の圧力が抜けたと見られる変化が観測されており、1983年の噴火時と同様、マグマの活動によってたまった火山性ガスが噴き出たという見方が出ている。
藤井敏嗣・火山噴火予知連絡会長の話「昨日から火山性地震が浅間山で断続的に起きていたが、噴火するとは考えていなかった。噴火規模は、浅間山噴火の最近20年の歴史では、最も大きな噴火の1つといえる。現時点で、最初の噴火以降は山頂部の活動は沈静化していると見られるが、今後の推移についてはデータが限られているので分からない。今後は浅間山全体の膨張など地殻の変動を注意深く見守っていく必要がある」
◆火山情報=火山活動の変化の有無にかかわらず出される「定期火山情報」、注意報に相当し、防災上の注意をよびかける「臨時火山情報」、非常に活発な火山活動が起き、緊急警戒の必要がある時に出される「緊急火山情報」の3種類がある。
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