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2004/08/18(水)
<五輪野球>日本、強敵キューバに6―3 3戦全勝
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アテネ五輪は第5日の17日、野球日本代表は1次リーグ3試合目で優勝争いのライバル、キューバと対戦。九回途中まで好投した先発・松坂(西武)を打線が3本塁打などでもり立て、6―3で快勝した。日本がキューバに勝ったのは、五輪4大会6戦目で初めて。日本はこれで通算3勝、カナダとともに首位に立っている。 【戦評】日本が松坂の好投と一発攻勢で快勝した。二回2死一塁から和田一が左越えに先制2ラン。四回は城島、中村の連続ソロで、キューバのエース・オデリンをKOした。七回には、藤本の三塁へのセーフティーバントなどで無死一、三塁とし、福留の左犠飛で突き放した。先発の松坂は四回に打球を右腕に受けるアクシデントがあったものの、八回までは得点を許さず、最後は石井が締めた。 ▼中畑清ヘッドコーチ 松坂の投球に尽きる。あの投球が攻撃の流れをつくった。 ■風を味方にアーチ攻勢 二回2死一塁、沈む球をすくい上げた和田一の打球はグングン伸び、左翼スタンドに消えた。3試合目で出た五輪初ヒットが貴重な先制アーチ。「風にも乗った」と和田一。四回の城島、中村の連続弾も左翼席へ。日本は右翼から左翼に吹く風を味方につけた。 試合前のミーティングでは、前日まで左から右方向に吹き荒れていた風対策が話し合われた。だが、実際にグラウンドに立ってみると、右打者には有利な、左方向への追い風に変わっていた。初戦のイタリア戦で、レフトへの大飛球を押し戻された和田一は「打球が飛ばずに悩んでいた部分もあるけど、これですっきりする」と開き直った。 守りでも風を利用した。「ミーティングでは右打者の内角を突くつもりだったけど、逆に内角はボール球にした」と城島。内角に速球を見せて、外角へスライダーを落とすパターンが、振り回すキューバ打線には効果的だった。引っ張る打球はファウルになり、松坂の好投を引き出す好リードにつながった。 アテネ入りした際、中畑ヘッドコーチは「初めての土地では、自然を味方にすることも勝つ条件」と話していた。最大のライバル、キューバとの試合で初めて吹いた日本への追い風。ツキも回ってきたのかもしれない。【百留康隆】 ■谷亮子選手 夫の佳知選手を応援 アテネ五輪柔道女子48キロ級で2連覇を達成した谷亮子選手(28)が17日、夫の野球代表、佳知選手(31)が出場したキューバ戦を観戦した。自分の試合の応援に来てくれたことへのお返しで「そろって五輪に出場したうえに、お互いに応援できてジーンときた」と笑顔で話した。 女子57キロ級代表の日下部基栄選手らとともにバックネット裏に陣取った。今回が4度目の五輪で、ほかの競技を観戦したのは初めてという。四回に佳知選手がヒットを放つと拍手をして喜び、「夫は日本にいる時もいいのですが、日の丸(のユニホームを)つけても決まっている。時間があえば毎日でも応援に来たい」とのろけた。 試合は日本が6―3で快勝。妻の応援について、佳知選手は「今はチームが一丸となって戦っている。また明日がありますから」と話すのにとどまった。
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