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2004/08/15(日)
長嶋ジャパン、好発進=「雑草魂」、聖地の熱投−頂点目指す〔五輪・野球〕
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指揮官不在の中、長嶋ジャパンが金メダルに向かって白星発進した。15日、野球予選リーグの初戦で、日本はイタリアを撃破。先発の上原浩治投手(29)は持ち前の「雑草魂」で、力投した。「日の丸をアテネの空に」。病に倒れ、リハビリを続ける長嶋茂雄監督(68)の言葉を胸に、オールプロの選手たちが全力で戦った。 強い日差しの中、先発のマウンドに立ったのは巨人のエース、上原選手だった。背番号は、巨人と同じ「19」。浪人した19歳の1年が人生で最も苦しかったことから、日本代表でもこの数字にこだわった。 「勝って当然」という厳しいプレッシャーの中、先頭打者をいきなり三振。その後も炎天下を、顔の汗を腕でぬぐいながら6回まで投げ抜き、無得点に抑えると、帽子を取って満足そうに両手を広げ、ベンチに戻った。 エリート選手とは対照的な野球人生だった。中学に野球部がなかった。高校では控え投手。スーパーでアルバイトもした。浪人を経て、大阪体育大に。教員免許も取った。 1998年、巨人に入団しエースに。長嶋監督がアテネ五輪の日本チームの監督に就任すると、昨年11月、五輪出場が懸かったアジア予選でチームに招集された。大事な初戦で中国相手に好投し、11個の三振を奪った。 その長嶋監督は3月に脳梗塞(こうそく)で倒れ、リハビリを続けている。栄光の背番号「3」のユニホームは、日本のベンチに置かれた。 金メダルまであと8試合。「中継ぎでも抑えでも先発でも、行ってくれと言われた場面で投げるのが仕事」と話していた上原選手。一発勝負の大舞台で実力を発揮する右腕が、長嶋監督の悲願達成を目指す。
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