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2004/07/26(月)
日本から8千人、五輪ツアーは大丈夫?
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アテネ五輪の開幕を間近に控え、現地の旅行会社が観戦客の受け入れ準備に四苦八苦している。五輪施設の工事の遅れが響き、いまだに観戦のための詳細なツアー予定表を組めないためだ。「リスクが大き過ぎる」と、五輪ツアーを一切、取り扱わないという会社も出てきている。
JTBや近畿日本ツーリストなど五輪観戦ツアーを取り扱う日本オリンピック委員会(JOC)の公式代理店6社によると、アテネ五輪の期間中、日本からのツアー客は、選手、関係者なども含めて約8000人に達する見通しだ。
これらのツアー客の受け入れにあたる現地の旅行会社は、2年前からホテルやガイドなどの確保に当たってきたが、競技施設の建設や鉄道などの交通網の整備の遅れが響き、五輪開幕まであと二週間余りとなった現段階でも、最終的なプログラムがなかなか立っていないのが現状という。
◆競技場の駐車場の場所さえ不明◆
日本の旅行会社3社のツアー客など3000人以上を扱う予定の「アンフィトリオン・ホリデイズ」の極東担当者は、「いまだに競技場の駐車場さえ分からない。乗客をどこで降ろし、どこで拾うのかも決まっていない」と嘆く。同社では、会場近くで乗降が出来なくても近くの駅まで誘導してバスに乗ってもらうなどの対策を検討中だ。
「アンディーズ・ツアーズ」は、日本や韓国、アメリカなどからの観戦客500―600人を扱うが、担当者は、「とりわけ要求の水準が高い日本人客からは、『ホテルが遠すぎる』とか『ホテルの設備が悪い』とかいったクレームが出る可能性がある」と認める。
◆アテネからバスで3時間のホテルも◆
関係者によると、現地旅行会社の中には、アテネ市内からバスで3時間かかる場所にホテルを確保しているところもあるという。
一方、ミキトラベル・ギリシャ支店は早々に、“五輪ツアー戦線”から手を引いた。水田敏夫支店長(54)は「ホテルは高いし、バスもガイドも少ない。数百人単位で受け入れを頼まれたが、クレームが殺到して信用をなくしては元も子もない」と話す。
日本の各旅行会社では、現地に応援スタッフや多数の添乗員を投入して対応するが、現地旅行会社の関係者は断言する。「最初の2、3日は必ず混乱する。なぜなら、大会運営そのものがどうなるか、誰も何も分からないのだから」
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