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2004/05/21(金)
「いいことあると願っている」拉致被害5人が会見
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北朝鮮による拉致被害者5人と家族連絡会のメンバーらは21日夕、首相官邸で細田官房長官と約1時間にわたって面会し、2度目の日朝首脳会談に臨む小泉首相への要望を伝えた。
この中で、被害者らは、5人の家族全員の帰国実現を強く求めた。また、前回の首脳会談で「死亡」「未入国」とされた被害者10人をめぐる真相の解明など、拉致事件全体の解決を訴えた。
冒頭、細田長官が「要望の内容は事前に総理に伝え、協議に反映させることを約束します」と述べると、家族連絡会の横田滋代表(71)は「5人の家族8人の帰国はもとより、死亡や未入国とされる10人の真相解明も最重要課題となっている。家族の要望を意識して交渉にあたってほしい」と、首相訪朝に寄せる家族の思いを語った。面会後、被害者らは官邸内で報道陣の取材に応じ、細田長官に伝えた要望内容について説明した。
それによると、地村保志さん(48)は「大変な決断をもって行かれるのだから、家族全員の帰国を実現させるとともに、拉致事件全体の解決に向けて事態を前進させてほしい」と発言。蓮池薫さん(46)は「北朝鮮は一筋縄ではいかない。『本人の意思で帰国したくない』と言われても、しっかり交渉してほしい」と話したという。
また、曽我ひとみさん(45)は「まだ(安否が)はっきりしていない10人の中には、私の母も入っており、その調査は、8人の帰国と同じくらい大切なこと」と強調し、横田代表も「(長女の)めぐみの生存情報も出ており、10人は生きているという前提で交渉してほしい」と注文をつけた。
これに先立つ同日午後、拉致被害者5人は東京・千代田区のホテルで記者会見に臨んだ。地村さんの妻、富貴恵さん(48)が「子どもをみんな連れてきてもらえるようお願いしたい」と語ったほか、蓮池さんの妻、祐木子さん(48)も「8人全員が帰ってきてほしい。あしたはいいことがあると願っている」と述べるなど、全員が家族の帰国に期待をにじませた。
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