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2004/05/07(金)
工藤41歳194勝で巨人首位! 23日ぶり並んだ!
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強いぞ巨人、首位タイだ―。41歳になったばかりの工藤が8回1失点の力投で3勝目。36歳の清原が先制打を含む2安打で打線を引っ張れば、ローズが自己最速ペースで14号と、投打がガッチリかみ合った。ライバルの阪神が敗れて、巨人は4月14日以来23日ぶりの首位タイ。ゴールデンウイークが明けても、巨人の勢いは止まらない。
巨人 0 0 1 0 3 1 0 2 0 7 広島 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 [勝]工藤 5試合3勝 [敗]デイビー 6試合2勝3敗 [本]緒方3号(工藤・5回)、ローズ14号(菊地原・8回) 高橋由5号(菊地原・8回)
抜群安定感!!8回5安打1失点
理解できなかった。何も起こってはいないはずだった。工藤は辺りを見渡した。球場にいる全員の視線が一点に集中していた。電光掲示板。数字はくっきりと浮かび上がっていた。「148キロ」2回1死だった。野村への4球目。41歳を迎えた左腕が、驚異の数字を叩き出した。
実感した。工藤も、阿部も直球の走りに気づいた。押した。決め球として選択したのは、当然「直球」だった。8回を投げ、5安打1失点。今季自己最長のマウンドだったが、最後まで衰えなかった。「球速? ここは速く出るからね。フォークを狙ってくるのは分かってたから」113球中、直球は58%の65球。前回多投した新球・フォークをあえて封印する投球術で、3勝目。5回には2点適時二塁打も放ち、投打で試合を独り占めした。
進化は止まらない。5日に41歳を迎えたばかり。仲間が球界を去っていく中、一人の男が支えになっている。「投げることだけなら、何歳まででもできる。ただ、活躍し続けることが難しい。でも、クレメンスはやってるからね」ヤンキースから現役引退を撤回し、アストロズに入団した一つ年上のクレメンスは、無傷の5勝で4月のナ・リーグ月間MVPを獲得した。「本当にすごい。おれもやらないと」工藤もこれで無傷の3勝で、チームの最多勝投手となった。
家族への恩返しでもあった。誕生日当日、横浜スタジアムから帰り、家の扉を開けると家族が迎えてくれた。テーブルの上には最愛の妻・雅子さん(37)が作ってくれたケーキがあった。「パパおめでとう」5人の子供たちから次々と祝福された。毎年恒例となっている、子供たちからの手紙も手渡された。「そりゃうれしいよ。頑張らないと、と思うよね」喜びとともに「責任」の二文字が頭に浮かんだ。一家の主としてまだまだやれる姿を見せた。
ベテランの力投で、チームも4月14日の中日戦(東京ドーム)以来の貯金を作り、阪神と並び首位に立った。堀内監督の興奮も収まらない。「工藤はあれだけ投げれば十分。前半、ヒットを打っても点が取れない嫌な展開で、工藤がうまく試合をつくってくれた。あれが若いピッチャーとの違い。きょうは落ち着いた戦いができた」と今季チーム最少失点試合を演出した左腕を褒めちぎった。「一つずつ積み重ねていかないと。目の前の試合に集中します」大記録まであと6勝。200勝へのカウントダウンが始まろうとしている。
巨人・堀内監督「前半ヒットが出ても点が入らなくて嫌な感じだった。工藤がうまく(試合を)つくってくれた。あれが若いピッチャーとの違い。きょうは本塁打が出ないと思っていたけど、(ローズの当たりが)フェンスの上に当たって入っちゃうんだから、しばらく(記録は)続くよ」
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