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2004/05/22(土) <小泉首相訪朝>家族5人が帰国、両親と再会
22日に平壌で行われた日朝首脳会談で、拉致被害者家族8人のうち子供5人の即時帰国が決まり、日朝関係はこう着状態から脱する見通しになった。8人全員の帰国を求めた小泉純一郎首相に対し、金正日(キムジョンイル)総書記が「離散家族を作る必要はない」と容認。しかし、曽我ひとみさん(45)の家族3人は来日を拒んだため、当面は北朝鮮にとどまることになった。帰国が決まった5人は22日午後9時過ぎ、政府専用機で羽田空港に到着し、02年10月以来1年7カ月ぶりに両親と再会した。一方、安否不明の拉致被害者10人について金総書記は「本格的な再調査」を約束したものの、被害者の家族会は強い不満を表明した。核問題でも具体的な進展はなかった。

 【平壌・徳増信哉】帰国したのは、蓮池薫さん(46)、祐木子さん(48)夫妻の長女(22)と長男(19)▽地村保志さん(48)、富貴恵さん(48)夫妻の長女(22)と長男(20)と二男(16)の計5人。

 首脳会談後、首相は会談場所に待機していた曽我さんの夫ジェンキンスさん(64)と娘2人に会い、1時間にわたって来日するよう説得したが、ジェンキンスさんは元脱走米兵として訴追される恐れがあるとして拒んだ。娘も同調した。このため、首相は米国に身柄を引き渡される恐れのない北京で曽我さんと面会することを提案し、了承を得た。

 会談は大同江(テドンガン)迎賓館で午前11時2分に始まり、午後0時35分まで1時間半続いた。首相が家族の即時帰国を求めたところ、金総書記は「離散家族を作る必要はない。行きたい人には行ってもらう」と応じた。さらにジェンキンスさんについても「本人の意思に任せる。もし日本に行くのが嫌なら北京で会ったらどうか」と提案した。

 さらに首相が、残る10人の被害者について「日本の家族は生きていると信じている」と真相究明を求めたのに対し、金総書記は「家族の気持ちは分かる。改めて早期に本格的な調査をする」と回答した。首相は北朝鮮にいる「よど号」事件容疑者の引き渡しも求めた。

 核問題では、首相が「私もブッシュ米大統領も6カ国協議を通じた平和的解決を望んでいる」として核廃棄を要求。金総書記は「朝鮮半島の非核化が最終目標」と述べたものの「米国が先制攻撃を言っている以上、核抑止力を持たざるを得ない」と述べ、具体的な進展はなかった。

 02年9月の日朝平壌宣言に盛り込まれたミサイルの発射凍結について、金総書記は今後も継続すると表明した。

 首相は拉致問題などで進展が得られたとして、北朝鮮に25万トンの食糧と1000万ドル(11億円)相当の医療品を国際機関を通じて援助する考えを表明。改正外為法による経済制裁についても、北朝鮮側が日朝平壌宣言を履行する限り、発動しない方針を伝えた。

 両首脳は平壌宣言の誠実な履行を確認したものの、国交正常化交渉の再開時期については具体的な合意に達しなかった。

 ◇表情変えず両親の待つバスに

 午後9時16分。地村保志さん(48)と富貴恵さん(48)、蓮池薫さん(46)と祐木子さん(48)両夫妻の子供5人を乗せた航空機が羽田空港に着陸した。出迎えた山崎正昭官房副長官が、保志さんの二男(16)の肩をポンとたたく。子供たちは表情をほとんど変えない。そのまま両親の乗る大型バスに乗り込んだ。

 窓にはカーテンが引かれていたが、フロントガラス越しに、保志さんと寄り添うように補助席に座った赤いスーツ姿の長女(22)が見える。

 首都高速を走るバスは午後10時すぎに東京都港区の赤坂プリンスホテルに到着。勢いよく降りた薫さんは、出迎えの杉浦正健官房副長官と握手を交わした。蓮池さん夫妻に前後して2人、地村さん夫妻とともに3人の子供が続いた。中山恭子・内閣官房参与が家族にほほえみながら声をかけると、保志さんの二男は、はにかんだ笑みを浮かべて頭を下げた。

 夕方の記者会見では、蓮池さん、地村さん両夫妻は曽我ひとみさん(45)を気遣い、笑顔はなかった。

 祐木子さんは「5人で頑張ってきたので、一緒に羽田に向かいたかった。残念でたまりません」と声を詰まらせた。

 会見前、曽我さんは手を差し出し、元気な声で「おめでとう」と祝福してくれた。「私のことを気遣ってくれた曽我さんに申し訳ない。たまんない気持ち」と祐木子さんは目をうるませ、「これから曽我さんを応援していきます」と誓った。

 薫さんは「日本政府がアメリカとしっかり交渉して、ジェンキンスさんが日本に帰れる環境をつくることが緊要で大事だ」と強調した。

 保志さんは、曽我さんに声をかけあぐねていたら、逆に「よかったね」と励まされたという。「曽我さんの気持ちを考えると、喜んでいいのか……」。富貴恵さんは、隣に座った曽我さんに何度も目をやりながら「喜びを分かち合いたかった」と話したきり、声を詰まらせた。

 間取りの広い新居に引っ越したばかりの夫妻。おそろいの椅子も五つそろえ、迎える準備を進めていた。「子どもたちとどう接したいか」と質問された保志さんは「こういう場でそんな話はしたくない」。少し間を置き、厳しい表情のまま「いろんなことがありましたから、会ったら、温かく迎えたい」とつぶやくように言った。


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