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2004/05/14(金)
<女子バレー>韓国にストレート勝ち 五輪出場を決める
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バレーボール女子のアテネ五輪世界最終予選兼アジア予選が14日、東京体育館で行われ、日本は韓国を3―0で破って5戦全勝として4位以内が確定し、96年アトランタ五輪以来、2大会ぶりの五輪切符を手にした。
女子バレーの日本は、初採用となった64年東京五輪で金メダルを獲得。76年モントリオール五輪でも優勝したが、84年ロサンゼルス五輪の銅メダルを最後に低迷。前回の00年シドニー五輪では予選を突破できず初めて出場を逃した。
韓国とは過去5勝25敗で、接戦が予想された。日本は第1セット途中、先発の木村沙織(東京・下北沢成徳高)に代えて、佐々木みき(パイオニア)を投入。その佐々木が好アタックを連発して第1セットを奪取すると、第2、3セットは一方的な展開。佐々木、栗原恵(NEC)のバックアタックなどが効果的に機能し、ストレート勝ちした。
▽日本・柳本晶一監督 五輪切符を取るという我々の一つの目的は達成した。さらなる努力をして、アテネでは必ずメダルを獲得する。
▽日本・吉原知子主将 主将を引き受けた時はみんな個性が強くて不安だったが、ここまで来られて良かった。このまま走り続けます。
▽栗原恵 (五輪出場枠を)取れたことはうれしい。でも、これからが大変だと思う。自分の中にも課題が残っている。最終予選も(試合が)残っているので、あと2試合頑張りたい。
▽前田健・女子強化委員長 点数をつけると100点満点。不調だから選手を代えるというのがW杯までだったが、今は作戦で代えられるのがすごい進歩だ。
○…シドニー五輪予選で悔し涙にくれた選手たちは4年後、うれし涙を流した。多彩な攻撃を組み立てたセッターの竹下は「本当にうれしい。バックアタックがうまく使えて攻撃の幅が広くなった」と充実感。エースの座を担った前回予選後に引退して結婚し、昨年現役復帰した成田(旧姓・大懸)は今回はリベロとして守備の中心で活躍。「もっと強くなって皆に感動を与えたい」とさらなる意欲を燃やした。攻守ともに存在感を見せた高橋は「感動しました」と勝利の瞬間から感極まって号泣。それぞれに念願を果たした喜びをかみしめていた。
◇佐々木はチーム最多17得点 大一番は日本の圧勝
マッチポイント。佐々木のサービスエースに韓国の選手は、ほとんど反応できなかった。
柳本監督は佐々木の投入時期を見計っていた。第4戦のプエルトリコ戦で活躍した強打のレフトスパイカーだ。しかし、韓国は多彩なコンビバレーを見せる。「佐々木はスタメンで使える能力がある。しかし、まずは守備を固めなければならない」。日本は立ち上がりからミスが出て浮き足立っていた。
日本は競り合いの中から追いつき、16―14とリードした。試合が落ち着き始めたところで柳本監督は木村に代え、佐々木をコートに送り出した。日本が守りから攻めに転じた瞬間だった。
「いつでも行ける準備はしていた」と佐々木。セッターの竹下が次々とトスを上げると、佐々木はスパイクをレフトから打ち込んだ。佐々木投入後、流れは完全に日本ペースに。佐々木はチーム最多の17得点。接戦が予想された大一番は、日本の圧勝に終わった。
就任から1年余り。34歳の吉原から17歳の木村まで多様な個性を持つ選手をまとめあげたのが柳本監督だ。「昨秋のW杯から2段階は戦力アップしている。まだ進化している」。確かな手応えが、五輪出場を決める試合で結果に表れた。
アトランタ五輪から8年。相次ぐ企業チームの休廃部やシドニー五輪予選敗退。あらゆる逆風を乗り越えて、日本の女子バレーが五輪の舞台に返り咲いた。勝利の瞬間、竹下らシドニー組の顔には涙があった。だが、涙が不似合いなほど今大会の日本は強い。「みんな個性が強くて不安だった。このまま走り続けます」と主将の吉原。アテネでメダルをつかむ日まで感傷に浸る暇はない。
◇アテネ五輪のバレーボール女子には12カ国が出場。2組に分かれて予選リーグを行い、各組4位までが決勝トーナメントに進出する。組み合わせ抽選は6月7日にアテネで行われる。
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