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2004/05/10(月)
<菅代表辞任>「3党合意」は了承 後任は週内決定へ
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民主党の菅直人代表は10日夕、党本部で開かれた両院議員懇談会の冒頭、「国民の皆さん、わが党の皆さんの不信を高め、迷惑をかけた私の責任は極めて大きい」と述べ、国民年金保険料の未納問題をめぐり混乱を招いた責任を取り、代表を辞任する考えを表明した。同懇談会はこれを受け、年金制度改革をめぐる自民、公明両党との「3党合意」の協議に入り、激論のすえ、対応を執行部に一任。続けて開かれた役員会で了承した。菅代表の後任については週内に決定する考えが執行部から示された。
あいさつに立った菅氏は「衆参両院議員、党員、支持者が私の代わりに針のムシロに座る事態になったことを心からおわびしたい」と謝罪。続いて「責任を取って代表を辞することを皆さんに伝えたい」と述べた。
菅氏はこの後、3党合意について「自民党が先延ばしに使う手であることは重々承知しており、多少の迷いはあったが、よりよい年金制度をつくっていくため、国民にとって半歩でも一歩でも前進できるものが勝ち取れるはずだと判断した」と説明。「手続き上の問題はたくさんあるが、ぜひご理解いただきたい」と了承を求めた。
3党合意をめぐっては、当初から強く反対論を展開した旧自由党系のほか、鳩山由紀夫前代表のグループ、旧民社党系も10日、相次いで「白紙撤回」を求める方針を確認。同日の参院民主党役員会でも反対意見が続出するなどしたが、両院懇談会では了承を求める執行部側が押し切った。
焦点の後任人事については、最有力候補の小沢一郎代表代行が3党合意の破棄を強く主張していたため、合意了承により小沢氏の代表就任は不可能な情勢になった。
菅氏周辺は「菅氏辞任、3党合意了承のセット決着」の後、岡田克也幹事長や枝野幸男政調会長らを代表に昇格させることで、混乱を最小限に抑えたい意向だった。ただ、合意は了承されても、党内には依然反発が強く、後任人事がめどが立つ状況にはない。
菅氏は4月28日、厚相時代の96年に10カ月間、国民年金に未加入となっていたことが発覚。中川昭一経済産業相らを「未納3兄弟」と批判した経緯もあり、党内外から批判が起きた。さらに、3党合意に対する反発と合わせ、党内から「菅氏が代表のままでは参院選が戦えない」との声が上がっていた。
<3党合意>
年金制度改革に関して自民、公明、民主の3党が合意した。内容は(1)両院の厚生労働委員会に小委員会を設置し、年金の一元化を含む社会保障制度全般の一体的見直しを行い、07年3月をめどに結論を得る(2)与野党で見直しのための協議会を設置(3)年金保険料は必要に応じて検討を加えていく(4)5月11日の衆院本会議で政府案の付則修正を行う(5)衆院厚労委で年金に関する決議を行う。また、国民年金未納問題の改善策として、未加入・未納者に対する通知、督促措置▽事後納付できる法的措置▽民間人から登用される閣僚などが国家公務員共済年金に加入できる政令改正を行う。
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