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2004/05/01(土)
阿部１７号サヨナラ弾 ５月も止まらん「最高で〜す」
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阿部だ！サヨナラだ！４連勝だ！！ 巨人は延長１１回１死一塁、阿部が右翼席最上段へサヨナラ１７号を運び、今季２度目の４連勝を飾った。試合は３回、ローズの１１号で２４試合連続本塁打を達成し、チーム最多連続試合本塁打のセ・リーグ新記録をマークした。木佐貫が完投目前で痛恨の逆転弾を浴びたものの、９回に追いつきサヨナラ劇を呼び込んだ。巨人はこれで借金完済。５月は貯金月間に入る。
広島 0 0 0 0 1 0 0 0 2 0 0 3
巨人 0 0 1 0 1 0 0 0 1 0 2x 5
［勝］ランデル ８試合２勝
［敗］永川 ７試合１勝１敗４Ｓ
［本］ローズ１１号（河内・３回）
栗原３号２ラン（木佐貫・９回）
阿部１７号２ラン（永川・１１回）
打った瞬間、手応えがあった。「切れるな」阿部は、心の中で叫んだ。覚えていたのは、そこまでだった。白球が右翼席に突き刺さり大歓声が降ってくる。ヘルメットを投げ捨て、一塁ベンチに向かって右手を突き上げた。歓喜の輪に飛び込むと手荒い祝福に気付くと体は地面の上だった。「覚えてません」どれもこれも記憶にない。興奮しすぎて頭の中は真っ白だった。
これぞ値千金の一発だった。延長１１回１死一塁。カウント２―３からの内角低めの１２４キロのフォークをすくい上げた。右翼ポール際最上段に突き刺さるサヨナラ２ラン。「最高です。最高です。最高です」おなじみのセリフを絶叫。場面を振り返ろうとしても、それ以外の言葉は思い浮かんでこなかった。
女房役としてどうしても黒星をつける訳にはいかなかった。好投していた木佐貫が９回１死まで１点をリードしながら、栗原にまさかの逆転２ラン。前々回、木佐貫が登板した４月１７日の広島戦の翌日だった。ふがいない投球をした後輩を、部屋に呼びつけた。「あいつには、もっともっとしっかりしてもらわないといけないから」厳しい言葉で叱咤（しった）激励をした。
登板翌日にもかかわらず、奮起を促す意味を込めブルペンで異例のピッチングをさせた。目をかけている右腕が頑張っていたから「変な形で点を取られたので。何とかしてやろうと思っていました」後輩の心の傷を、ひと振りで消して見せた。
４月に頼れる司令塔は大爆発した。１６本塁打を放ち、世界の本塁打王・王さんの月間記録を抜き、日本タイ記録をマークした。それでも新記録がかかった３０日のゲームは無安打に終わった。「今日からは５月。また、新たな気持ちで頑張ります。昨日は確かに重圧がありました。でも、これまで通りまた気楽な気持ちで打てますから」大記録へは１日遅かった。だが、新たな気持ちでスタートしたこの日の一発は、チームにとっても阿部にとっても大きなものだった。
今季２度目の４連勝で４月１０日以来の借金ゼロ。堀内監督は「今日はいいゲームだった。阿部？ さすがだな。甘いボールだと打つもんな。文句なし」実は打ったのは内角の難しいボールだった。指揮官を錯覚させるほど、いとも簡単に打ち返した一発を絶賛した。
記録にも記憶にも残る男とは、まさに阿部のこと。月が変わろうとも勢いはまったく衰えることを知らない。それどころかさらに加速している。停滞しているチームを、頼れる若い司令塔が一気に上昇気流に乗せる。
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