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2004/03/24(水)
尖閣諸島上陸の中国人７人を逮捕
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沖縄県尖閣諸島・魚釣島に中国人とみられる７人が上陸した事件で、沖縄県警は２４日午後３時半ごろ、石垣空港からヘリコプターで捜査員１８人を魚釣島へ派遣、同５時２５分から７時７分までに全員を出入国管理法違反（不法入国）の疑いで現行犯逮捕した。７人は魚釣島に１０時間以上いたことになる。第１１管区海上保安本部（那覇市）によると、尖閣諸島への上陸は９６年１０月以来２回目、日本の警察当局が逮捕したのは初めて。県警は７人を調べた後、福岡入国管理局那覇支局に身柄を引き渡し、同支局が退去強制手続きをとって強制送還する見通しだ。
小泉純一郎首相は２４日、「（逮捕は）異例のことだが、法律に従って対処するのは法治国家にとって当然のことだ」と記者団に述べ、処置は適切と主張した。日中関係に与える影響については「できるだけ冷静にお互い対処する必要がある」と、対中関係に配慮しながら事態の収拾を探る考えを示した。「逮捕には官邸の判断があったのか」と問われ、「いや、全然。現場の判断だ」と述べた。
武大偉駐日中国大使は同夜、外務省に竹内行夫事務次官を訪ね、「憤慨と抗議の意」を伝えた。
県警などの調べによると、７人は全員が中国籍の男。逮捕時、特に抵抗などはしなかった。
リーダー格とみられているのは、日本で会社勤めをしたこともある馮錦華容疑者。０１年８月に小泉首相の靖国神社参拝への抗議行動として同神社のこま犬にスプレーで落書きし、器物損壊容疑で逮捕されている。その後帰国し、何度か魚釣島への上陸を企てたことがあったとされる。
７人は午後８時過ぎ、１１管のヘリで巡視船に収容された。巡視船は早ければ２５日午前中にも那覇に着く予定。県警は那覇署などで上陸の経緯や目的、上陸後の行動などを聴く。入管は早ければ２６日夕までに身柄引き渡しを受け、事実関係を調査後、強制送還する模様。
１１管によると、７人を運んできた船は中国籍。船体に「浙普漁２１１１４」の名前があり「中国領海」と書かれた垂れ幕を掲げていたという。船は２３日深夜に魚釣島に接近し、２４日朝に７人が上陸した。正午過ぎ、船は７人を残したまま魚釣島西２２キロの日本領海を出た後、午後４時過ぎにいったん日本領海に接近して３０分ほど停船、再び領海外へ出た。
９６年１０月に香港、マカオ、台湾の活動家４人が上陸した際は５０分後に自主的に島を離れている。
１１管は、今月末に抗議船が接近するとの情報を受け、周辺海域で警戒態勢の強化に乗り出す矢先で、結果的に裏をかかれた形で上陸を許した。【中村宰和】
◇ことば◇尖閣諸島 石垣島の北約１７０キロの東シナ海に点在する無人島の総称。一番大きい魚釣島は周囲１１キロ、広さ３．６平方キロ。７２年の沖縄返還で南西諸島の一部として日本領土に復帰し、現在は石垣市に属している。６８年に国連アジア極東経済委員会の調査で海底に豊富な石油資源埋蔵の可能性が指摘され、中国、台湾が「台湾省の付属の島」と領有権を主張し始め、中国や台湾の活動家が上陸を図る問題が多発している。
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