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2004/11/15(月)
<日朝実務者協議>家族会メンバーは北朝鮮へ憤り
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北朝鮮によって横田めぐみさん(行方不明時13歳)が拉致されてからちょうど27年たった15日、北朝鮮側がめぐみさんの「遺骨」とする骨が日本に持ち帰られた。拉致被害者の「生存」を示す証拠は一つもない。日朝実務者協議は今回も家族らに失望をもたらした。「だまされない」「落胆した」。家族らは口々に北朝鮮への強い憤りを表した。 外務省による家族らへの説明は午後4時半ごろから約3時間半に及び、終了後に家族らは東京都内で記者会見した。 家族会代表でめぐみさんの父滋さん(72)は「遺骨とされるものが入った骨つぼは白い布でくるまれていた。警察が検証する関係で中も開けていない」と説明。北朝鮮から提供されためぐみさんの写真3枚のうち1枚は結婚後のものだった。母早紀江さん(68)は「少し背が高くなってすらっとなって、大人になっていた。思わず懐かしさで涙が出てきた」と話し、「表情は明るく、本当に精神病にかかっていたのか。自殺なんて絶対ない」と語気を強めた。さらに「娘たちはどこかに監禁されていて『そんなの違うのよ』と叫んでいるはず」と話した。 弟拓也さん(36)も「北朝鮮側が提供した情報は、横田めぐみばかりに集中している。運動のシンボルを一本釣りし、うその情報で納得させようとしている。落胆した」と強い口調で話した。 田口八重子さん(同22歳)については、81〜84年にめぐみさんと一緒に生活していたと初めて説明された。田口さんはこの時期、大韓航空機爆破事件の金賢姫元死刑囚の教育係として同居していたとされる。田口さんの兄の飯塚繁雄さん(66)は「同居期間が正しいなら、妹は(教育係の)李恩恵じゃないことになる」と、北朝鮮の主張が意図的に作られているという見方を示した。「何回調査をやっても北はうそを続ける。(死亡原因とされる)交通事故の調書は作られたものという疑念はぬぐえない」と繰り返した。 北朝鮮は増元るみ子さん(同24歳)の結婚の日付を訂正した。弟照明さん(49)は「結婚証明書をねつ造だったと認めた国をどうやって信じられるでしょうか」。松木薫さん(同26歳)については「衝突事故で死亡」とされていたのが「自動車が転落して火災になり死亡」と変わった。弟信宏さん(32)は「180度説明が変わった」と、不信感をあらわにした。 有本恵子さん(同23歳)の拉致について、北朝鮮側は「よど号メンバーが関与したという事実がない」と回答した。父明弘さん(76)は「北朝鮮のたちの悪さが出ている。遠慮なく経済制裁するしか解決方法はないのではないか」と、強く主張した。
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