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2004/11/01(月)
日銀 新紙幣の発行開始 20年ぶりにデザイン一新
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日銀は1日午前、1984年11月以来、20年ぶりにデザインを一新した1万円、5000円、1000円の新紙幣(日銀券)の発行を33の本支店で開始した。午前6時から金融機関への引き渡しを始め、銀行など金融機関の窓口でも同日午前新紙幣が出回り始めた。 新紙幣の肖像には、1万円札が旧紙幣と同じ福沢諭吉、5000円札には女性初となる樋口一葉、1000円札に野口英世を採用。急増する偽札対策のため、角度を変えると色や模様が次々に変化する「ホログラム」など最新の偽造防止技術を取り入れた。 三井住友銀行によると、1日午後にはほぼ全店に新札が行き渡る見通しで、窓口で新札を希望すれば旧札を新札に両替出来るほか両替機にも新札をセットしているという。ただ枚数に制限があるため、ATM(現金自動受払機)からの払い出しは旧札で対応している。 日銀によると、金融機関のATMはほぼ100%、新札対応の改良済み。一方、JRや私鉄の券売機の新札対応は約7割、清涼飲料水などその他の自動販売機はほぼ半分が対応しているという。 発行開始に合わせて、日銀は新札50億枚を用意。初日は平常日より需要量が5〜6倍増えると見込み、窓口の営業開始時間を3時間早めた。新札発行後も旧札は引き続き使用できるが、2年ほどで新旧紙幣がほぼ入れ替わるとみられる。 東京・日本橋の日銀本店で同日午前6時前に開かれた発行式で、福井俊彦総裁は「新日銀券が人々の心を刺激し、新しい社会の形成に大きく寄与することは疑いない」とあいさつ。40万枚1セットの新札の束が次々と銀行の現金輸送車に積み込まれ、早朝の街に運び出されていった。
■新札グッズや新札釣り銭、新紙幣でアイデア商戦 新紙幣が発行された1日、百貨店やスーパーで、お釣りに新札を使ったり、新札関連グッズを販売するなどのイベントが相次いだ。
東京都中央区のプランタン銀座は、午前10時半の開店と同時に、釣り銭に新5千円札を使った。女性客が中心のプランタンは、日本銀行券として肖像に初めて女性の肖像が採用された5千円札を150枚用意した。
受け取った客は「色が鮮やかできれい」と喜んでいた。イトーヨーカ堂も東京都江東区の木場店で、新千円札と新5千円札を用意。2日には、全国134店で新札を枚数限定で釣り銭に出す。
一方、ダイエーは1日から、全国59店で、新札をデザインしたバスタオルやせんべいなどの「新札グッズ」を売り出した。「縁起物」として買い求める年配客が目立った。
東京風月堂(東京都中央区)は、お札をかたどった「お札サブレ」を8月から新札のデザインに替えて発売しており、ここ1、2週間は通常の5倍の1日約50個が売れているという。上野松坂屋は3日から9日まで、新札の金額にちなんだバーゲンを行う。釣り銭には新札を出す予定で各地で関連商戦が広がっている。
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